あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

我慢比べの石の上

「我慢をせずに

自分を解放しましょう。」

「心に秘めている思い通りの自分で

生きていきましょう。」

 

車内吊り広告を見上げれば

自己啓発本だったり

カウンセリングや癒しをテーマにした

記事の特集告知などが

隙間を埋めている。

 

生きにくい世の中なのだろうなと

一人前の生意気な事を想像してみる。

 

我慢は、

果てが無い。

終わりが見えない抑圧だから

続けていると

くたびれる。

日常茶飯事の我慢比べだと

そのうち自分が擦り減って無くなってしまう。

 

たぶん、勘違いするんだな。

自分が我慢した分だけ、

今ある状況が改善するんじゃないか、と。

我慢する内容が、

辛ければ辛いほど、

それに比例して

報酬が大きいんじゃないか、と。

 

f:id:akarinomori:20180116130444j:plain

 

私は親として、

子供には

「我慢できる子」にはなって欲しい。

けれども、

なって欲しいのは

「我慢できる子」であって

「我慢し続ける子」じゃあない。

継続的に

終わりが見えない苦行のような我慢は

もっと言ってしまえば、してほしくない。

ルールがある限り、我慢無しでは

無法者になるのではないか、とお叱りを受けたら

私は、

「お恐れながら」と、

挙手をする。

 

我が子に覚えて欲しいのは

「瞬間的な」我慢と、

断続的な「辛抱」なんだ。

 

目的を成す為に

我が儘をグッと腹に押し込める事。

それが「辛抱」の本質だと思っている。

終わりある、自己制御。

難しく言えばそんな言い回しになるのだろうか。

ためて、ためて、エネルギーを蓄えて、

白線の内側から

ピョンッ!

そんなイメージ。

 

満月のように引き絞った強靭な弓を、

狙いをすませて、

一気に解き放つ為の

こらえる作業。

 

我慢が過ぎれば

心根が卑屈になる。

ねじ曲がってしまえば、

人の幸福が妬ましくなる。

隣人の幸せが増えると

自分の不幸が増したように

錯覚する。

自分は

こんなに我慢しているのに

あいつは……。

 

隣の芝生は

例え青いとしても、

自宅の芝生も

ちゃんと青いのだ。

過度な我慢は

人を猫背にし、

俯き加減にさせ、

目付きを荒ませる。

 

春に芽を出す草木の種が

静かに冬を眠って過ごすなら

やり場のない息子のイライラも

燃えながらまどろむ残り火で

あればいい。

 

報われる確証は

悲しいけれど

無いかもしれない。

それでも、

辛抱は

自分の為にする事だから

ゆっくりと心の底に

落ちていくのだと思う。

 

石の上に

何年座って辛抱しなければいけないかは

解らないけれど、

冷たい眼差しで誰かをうらやむのでなく

自分の土俵でむっくり起き上がる強い魂で

息子達には

明日を占って欲しいと

切に

願う。

 

f:id:akarinomori:20180116133415j:plain

打たれ強さには定評があります。

左の眉下から、まぶたにかけて

斜めに細くうっすら切り下された

擦り傷。

風呂上りに血行が良くなり、

浮かび上がる

名誉の負傷。

 

f:id:akarinomori:20180116020522j:plain

 

兄弟にとって

おもちゃの取り合いは

「喧嘩」なんてチャチなもんじゃあ

ないんですよ。

取るか、取られるか、の

「真剣勝負」です。

ええ、男ですから。

 

強い相手に挑んでいくのが

後から生まれた者の宿命なんでね。

閉ざされたドアは

こじ開ける主義ですから。

 

次男、一歩も引かず。

兄に、反撃の一打をお見舞いしました。

同じく風呂上りの兄は

左のほっぺが紅く腫れてたようです。

 

よろしいか、おのおの。

これは謀反にあらず。

ココロザシを遂げる

信念の戦いなり。

 

 

大人びてアンニュイ

一緒にお風呂に入ろうかと誘っても

「(僕は)男の子だから」と

連敗中の母である。

 

抱き締めれば

あちこちごつごつしていて

擦り寄せたほっぺたばかりが

幼い頃の柔らかさを保っている。

 

f:id:akarinomori:20180116014209j:plain

 

平たい胸板には

薄い皮膚に覆われた硬い骨の起伏。

くびれのない腰には

甲殻類のようなガッチリした重心。

 

線引きは

いつの間にか

君の方から申し入れがあったので

私はそこに同意のハンコを押すだけで。

 

私は

血と肉と骨だけを

こねて、貼り付けて、満たして、渡した。

それを

育てて、鍛えて、試して、使いこなしているのは

間違いなく

君だ。

 

それは、

ちゃんと、もう

君のものだから、

私はすでに、

どうこうする事も出来ないし

どうこう言うのも厚かましい事だ。

納品日に間に合わせた特注品を

君はしっかり受け取った。

頑張って、これから

そいつをヴィンテージ物に

仕上げて欲しい。

使い込まれて良い光沢を放つ

最高の君に

なってくれよな。

「私達の若い頃はさぁ」を言いたくて。

待ち合わせの場所がすれ違っただけで

ドラマになるって、

想像できますか。

 

電話はタップするものじゃなくて

回すものだったの、

知ってますか。

 

音声で検索するものじゃなくて

自力で辞書引く勉強、

したことありますか。

 

「まったく、今の若いモンは」

 

f:id:akarinomori:20180115123713j:plain

f:id:akarinomori:20180115123732j:plain

f:id:akarinomori:20180115123747j:plain