あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

季節

あらわれたものをあらわす。

読解力ではなく、観察力なのか、と思い付いたので備忘録として記す。 テーブルの木目の茶や黄や肌色の奥深い部分の、色の境目のようなところに執念深く目を凝らして見つめ続けるような、観察力が必要ではないかと考えたのだ。表現力を培うためには、その観察…

今は、遠くあるけれど。

3月の第一週目の月曜日から、今まで長男が小学校に登校したのは、たった1日。4月の第二週目の月曜日、始業式に、教室でなく、校庭で新しいクラス発表を聞いて、全校生徒への校長先生のお話を聞いて、それで終わった登校日でした。 あれから毎日、彼は学童…

逝く春

外出禁止の政府発表により、桜見物の人数も激減した。それでも春は滞りなく巡って来て、当たり前だが、桜は満開になり、春風に煽られて潔く散っていく。 先輩が運転する外回りの営業車に同乗させてもらった時、道路脇に植えられた散り初めの桜を目にした。先…

春と馬鹿

我が家の時計を「日時計」にした。 ベランダに置いて使用している。 朝日と共に起きてきて、星の出ぬ間に寝てしまうというハメハメハ大王のような生活リズムになった。お陰で母子ともに遅刻は増え、早寝の習慣が付いた。 体調は良くなり、体内時計が整ったよ…

つなぐ一輪

職場のトイレには、いつも花が飾られています。手洗い場の脇に、小さな花瓶に活けられた季節の花があるのです。小さな出版・印刷会社ですから、ビルメンテナンスの業者などは入りません。所属する会社の社員が自発的に自前で花を持ってきては飾っているので…

あおげばとうとし。

卒業文集の原稿へ目を通す機会がありました。私は出版・印刷会社に勤めているので、上がって来たばかりの文集原稿に触れる事が日常にあります。拙い筆跡で書かれた原稿用紙の束を抱え、誤字脱字、改行の訂正、段落の見直し、いわゆる校正作業の手伝いもしま…

吹けよ、東風(こち)。

梅干しの生産量日本一の県出身である為、肩を持つのではありません。冬生まれの私が冬と春の境目に愛着を持つのは自然な事柄で、なおかつ桜よりも梅に魅力を感じるのは自然な流れであります。 パッと咲いてパッと散る潔さと華麗さは、確かに桜が好まれる条件…

なめてもらっちゃ、困るのよ!

豆苗は、実に健気でいじらしい植物です。購入時は、ピッチリとした透明の包装に包まれて真っ直ぐに天を向いて一糸乱れぬ束になっておりました。根元を残して上部を断ち、しっかり育った茎と葉を炒め物にして賞味しました。 根が張り巡った株を栽培容器に入れ…

雨にかざす。

季節の変わり目には、よく雨が降ると言います。細く降る長雨であったり大地を洗うような豪雨であったりします。遠く雷を聞くこともあるでしょう。モヤモヤとすっきりしない気候に体調を崩す人がいるかも知れません。 水は、いつも何かを連れて来ます。降って…

柚子と子等と。

「もう、これで十分です」「お腹一杯です、ありがとう」と相手の厚意を適当に切り上げるのは、なかなか難しい事かも知れません。本当に自分が満たされていれば、遠慮なく辞退出来るでしょうけれども、空腹の時や虚無感に苛まれている時には、重ねての恩恵を…

貴方の事を誰よりも愛おしく思う人が貴方の成長を貴方以上にただただお祝いする日

朝一番に起きて私がする事と言えば、うがいとトイレを済ませての掃除です。賃貸の木造アパートの一室です。掃除と言えど知れています。いかに丁寧に磨きをかけても、1時間もあれば終了でしょう。事前に洗濯機を回しているので、洗い上がった洗濯物をカゴに…

南無、飯縄大権現

今日の東京は穏やかな冬日でありました。登山と言えば、各地に名峰ありながら、東京での手軽な山と言えば高尾山でありましょうか。八王子市にある600m足らずのなだらかな山です。2人の子供達を連れておりましたので、軽いハイキングのつもりで本日は登…

君の心のとっても深いところ

コンビニエンスストアのおでんを時々買います。肉嫌いの長男がリクエストするのと、がんもどきや厚揚げなどの豆腐製品が大好きな次男の為と、シングルかーちゃんの肉体的疲労を和らげるのとで、おでんは大活躍です。 長男の好物は「はんぺん、ウィンナー(ひ…

我ら『雨降り探検隊』

私には、雨傘がありません。自転車に乗る機会が多いのと、傘を持つと並んで歩く幼い子供を守れないので、手放してしまいました。雨降りの日は、ですから、どこへ出掛けるのもレインコートと長靴です。 病み上がりの次男を連れて、サヤサヤと細かく冷たい雨が…

帰京

年末の30日から今日6日まで、長男は北海道へ旅に出ていました。彼の叔父である私の弟は苫小牧に在住の為、そこへしばらく居候をしていたのです。ほぼ1週間の旅程の内、現地で合流した私の母(息子にとっては祖母)と共に旭川にも遠出しました。 東京の羽…

こけこっこー!

目覚め。 明るい今日に。 生まれ来る「ワクワク」に。 か細いけれども、強い。 激しいけれども、脆い。 まるで、全部に反骨精神を抱いているような 君の歌。 真っ青な心に 突き抜けそうな飛行機雲の円を描いて 君の希望が 飛び立とうとしている。 だからいい…

光の野に、鳥を放つ

霜柱が立つような冷え込んだ朝が続いています。戸口に立って子供を見送る時、我が子の名を呼ぶと、私の唇から白くて丸い息が出ます。冷気に負けて、すぐに消えてしまう儚い湯気が、走り去る我が子に追いすがっては霧散してしまいます。 息子達の名は、籠るよ…

泣き所

冬生まれの私達家族は、多分、冬をポジティブに捉えています。それでも、毎朝、凍えるような安普請の賃貸住宅です。外気温と変わらない寒さの部屋で、長男を起床させるのは難題です。呼び掛けで起きないのは解り切っていますので、筋力に物を言わせて寝床か…

とこしえの松の枝

調理中、ラジオ代わりに落語を聴いています。主に米朝一門の演目を流しているのですが、故桂枝雀さんの語り口が好きでよく選びます。『代書屋』『子ほめ』『幽霊の辻』と次々流しては、暗い台所の隅で、フフフっと薄気味悪い笑いを忍ばせている私です。包丁…

創作:『夏酔い奇譚』(続き?)

http://akarinomori.hatenablog.com/entry/2018/07/13/173138 ↑の続きみたいなやつ、つらつら。 ⤵ 侍と、私(商人)、ちょっと面倒な関係について。 竜殺し。 そんな物騒な文言は、今、手にしている瓦版のどこにも載ってはいない。木組みの台の上、声を枯ら…

「ほ」の字見舞い

父が生きていた頃には、夏はよく桃が届きました。岡山県も山梨県も桃では有名ですが、私の故郷の和歌山県もブランド名が付くような桃が採れます。田舎から贈答用の桃が届く度、「娘に届けるのだから、別に値の張るものでなくてもいいのに」と返すのですが、…

たわわ、たゆたう、たまわる日

昭和記念公園。 空気中には霧のような水の粒子が漂っていました。長く降った冷たい雨が朝には上がり、彩り鮮やかな樹々はいっそう美しく輝いていました。夏の頃に鬱蒼と頭上を覆っていた落葉樹の枝葉も昨晩の冷え込みで葉を落とし、いくらかしとやかになった…

500文字ブログ:お洒落番長ではない私が、今、この上なく、欲しいモノ。(欲しいモノリストNO.1入り)

土塀に囲まれた庭があって、魔除けの瓦を乗せた門をくぐれば母屋が見えます。南向きの縁側を左手に見ながら、奥まった玄関の敷居をまたぐと、固く突き固められた土間があります。そのまま進むともう一つ敷居があって、鬼門の位置には台所、左に取ってタタキ…

創作色々:『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)かーらーの、『蜘蛛の糸のおまけの糸』(私)とか。

ふっつりと途切れた蜘蛛の糸が、墨で染めたような暗い宙に揺れていました。つい先程まで、ひしめき合う罪人達がよじ登っていたか細い糸でございます。蠢きながら取り付いて来る何百、何千と知れぬ亡者らにも、びくともせぬ不思議な糸でございました。それが…

500文字ブログ:最期の激流

「水裂いて今生(こんじょう)の鮭のぼりけり」(大串章)。 目の前の激流を、傷付きながら懸命に身をよじり、登って行く多くの鮭達は、もう二度と元来た海へと生きて還る事は出来ないのです。子孫を繋ぐ為に突き動かされている鮭には、元々そんな悲壮感など…

(あっこ的)ハーフサイズブログ:500文字:なれの果てを褒められるとちょっと「嬉しい」という話

襟付きのシャツを好んで羽織るようになったのは、30代前半くらいからです。身に添ったシャツであれば仕事でもオフでも気にせず使用出来ます。流行に頓着しないという楽天的な性格もあるからでしょう。 今は形状記憶繊維の便利なものも多いですから、扱いの…

「あほ」ってこういうことを言うんです。

どんな人に育ってほしいかと尋ねられたら、息子達には「自分の人生を自分自身の力で豊かにして行ける人に育ってほしい」と答えるでしょうか。 出来れば、人の為に努力出来る人であってほしいです。誰かの役に立つ為には、何も出来ない自分では困るでしょう。…

「僕だから、出来て当たり前」。気持ち良くそう断言出来なくなった「かつて」の「僕たち」へ。

今月7歳になる長男は、もうすでに幼子ではなく、すっかり少年です。悪ふざけをする同年代の友達同士、肩をぶつけあって歓声を上げる姿は我が子でありながら、何故か遠い存在のようです。緑濃い芝生の広場に、仲の良い猟犬の兄弟を解き放ったら、きっとこん…

やはらかに、こもる、秋。

きっかりと、1年経ちました。私と子供達と、42平米の木造の2階に仮住まいしてから、早いもので。 専業主婦で無かったから思い切れた事なのかも知れません。就業して経済力が我が身にあるという心強さは何ものにも替えがたいです。小さな頃から男勝りだっ…

散文(覚え書き) 弥生

私と子供達だけの生活も、丸4カ月です。 2月末に今までの仕事を退職し、3月1日より新しい職場に入りました。 1月から通い始めた茶道教室は、私用でお休みする事もありますが、楽しくお稽古をさせていただいています。 一週間前、お茶の先生が、お庭に植…