あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

我が家的(特に私的)買い物事情

「どちらもお似合いですよ」

柔らかい口調でなごやかに

二つの商品を勧めてくれる店員なら

大勢いると思うんです。

本当に「どちらもお似合い」なら

大抵の物は「どれでも」お似合いだと

思うんですよね。

だけれども

「私はこちらがお似合いだと思います」

「もう少し時期をずらせば別のラインの物が

出ますので」

と、申し訳なさそうにたった一つを

差し出してくれる方の方が

(実状は別として)私には誠実に映ります。

 

人から商品を買うという行為は

店にわざわざ足を運んで味わう

風味豊かなスープみたいなものなんです。

探している物の手触りや、

使い心地などを確認する為だけでなく、

自分を出迎えてくれる扉の質感や

声を掛けてくれる店員の雰囲気や

並べられた商品の佇まいや

出入りする客の息遣いや

ほんのり伝わって来る照明の熱や

レジスターのあるテーブルに置かれた

包装紙の鮮やかさや

細々した物が入り混じった風景や

直感する物や体感する物なんかを

全部ひっくるめて

「味わう」んですよね。

 

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(店内はそれこそ、帽子だらけ)

 

お目当ての物を

インターネットでポチッとするのも

効率的だけれど、

私がこういった面倒臭いものを楽しむのは

自分も同じく、

複数の面倒臭い物の集合体であるせいだと

思ってるんです。

 

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(ディスプレイのヘラジカの剥製。迫力あるね、本物かな?)

 

 

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(2階への階段から見下ろしても、下界には帽子、帽子、帽子)

 

人の中で生きてるんだな、と

大袈裟な事を言い切りたい訳ではなくて、

ああでもない、こうでもない、と悩んでいる時間も

楽しく過ごしたいと思いますし、

商品の扱い方や手入れ方法を丁寧に説明されたら

嬉しいなあと感じますし、

「ああ、男のお子さんですか、お母さん、大変ですよね」

なんて余計なお世話を焼かれると

ちょっとほっこりしますし、

要は、

それ全体の「流れ」みたいなものが、

活き活きしていて

私には馴染みが良いんでしょうねえ。

 

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「面倒」であると言う事も

ある種の、

瞬間的な軌道修正やらメンテナンスやらが

必要という意味では

結果的に愛着のような物が

そこには発生する気がするんですよ。

 

自分が手を掛けた分だけ、

育つというんですか。

その先にいただく「お買い得商品」を抱え、

店を後にする。

そういうの、

私は、

いいなあ、と

感じるんですよねえ。

 

 

(今日は温かい日曜日でした。渋谷から表参道へ。

帽子店『CA4LA』(カシラ)さんへ向かう。

許可を頂いて、ブログ掲載させていただきました。)