あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):八景島シーパラダイス

 週末、子供に「日曜日、どこへ行きたい?」と尋ねるのが、この頃の我が家では定番になっています。「水族館に行きたい」と長男が嬉しそうに提案しますので、昨日は神奈川県の『八景島シーパラダイス』に家族で向かいました。

 高速道路も使用して、我が家からはほぼ2時間。江の島のように小さな離島を丸々テーマパークにしてあるシーパラダイスは25年周期のリニューアルを終えたばかりだとかで、折しも今年が一つの節目の年であったようです。

 台風12号が関東を通り過ぎて、その翌日の蒸し暑い曇天の日。車を専用駐車場に預けて、八景島への連絡橋を渡り、11時半に施設へ上陸。

 主人は来訪経験があったらしいのですが、私には初めての八景島です。”シーパラ”の第一印象は「オーソドックスな中堅クラステーマパーク」でした。入場料は我が家の感覚では「お、いい値段、すんじゃねえか」という感じです。財布の紐が硬めな私は、ことあるごとに主人から「セコビッチ」扱いを受けるのですが、やっぱり入場料で「5000円」は強気であると思ってしまったのでした。遊戯場と水族園が合体した複合施設です。両方、欲張りに遊び倒そうよ、というのなら、仕方の無いお値段であるかも知れませんね。

 スタジアムでのバンドウイルカオキゴンドウカマイルカベルーガシロイルカ)←珍しい、セイウチのショーは、親子で存分に興奮いたしました。子供にとっても大人にとっても大型水族園での、やはり最高の楽しみがこういった水生哺乳類のショーはないでしょうか。長男の要望で、2度、時間をずらしてショーを見物しました。演目自体に変化はないですが、回ごとに違う表情を見せる動物達に見飽きる事はありませんでした。

 今回は併設している遊戯施設の区域には大きく立ち寄らずに過ごしましたから、大まかには水族園区域の感想でしかありませんが、私が(子供そっちのけで)印象深かったのはアオウミガメの展示室です。小型のレンジ棚程の大きさがあるアオウミガメ達が5,6頭、砂浜を囲んだ浅瀬で泳いでいるといった風景を造形した展示室でした。最近の水族園にはおなじみの大型水槽や深海魚展示室なども勿論、質の高い物であったと思います。が、中でも、新鮮であったのが、ウミガメ展示の面白さでした。観客からは目線の高さの水面を境にして、足元にかけては、オールの様なヒレを翻して優雅に泳ぐウミガメ達の様子が観察出来ます。また、視線を上げれば、海底から地続きになった浜辺が再現されており、上陸して重そうに自分の身体を前進させて砂を掻き分ける亀達の仕草が目撃出来るようになっております。動物番組で見かける「ウミガメの産卵シーン」の断片のような風景が、眼前で臨場感たっぷりに見渡す事が出来る仕掛けです。実は、この展示場は、野外のベランダからも見下ろす事ができて、揺れる水面にウミガメの大きな甲羅が浮き沈みするのを見下ろしたり、間で泳いでいるサメ達の背びれが、映画のワンシーンみたいに水面から突き立って移動していくのも観察出来るのです。熱帯魚と共に水槽の中を泳ぐウミガメしか見た事が無かった私には、実際に丘へ上陸し、大儀そうに前びれを使って砂浜を横切って行く彼等の姿が実に新鮮に映りました。

 『八景島シーパラダイス』は屋外展示に力を入れている水族園であるとも感じました。11時台に到着した我が家は結局、夜の8時まで、ほぼ10時間もここへ滞在しておりました。そのほとんどを、この炎天下の中、この蒸し暑い気候の中、その上子供連れで、屋外で過ごす事の異常さ。もう、これこそ狂気でありましたでしょうか。

 けれども、その奇行のほとんどが、親のエゴでなく、長男の「希望」に基づいた行動であったと言えば、きっと私は虚言癖の罪でどこかへしょっぴかれてしまうかも知れません。でも、事実であるのです。

 まず、外の飼育施設で泳いでいるイルカへ、近距離まで近づいて、しかも飼育員さんの見守りの元、自由に手を触れる事が出来るコーナーがありました。ゴマフアザラシゼニガタアザラシへの餌やり体験も、随時、行われていました。ペンギンへのふれあいコーナーもありました。磯部を再現した一角で、太ももまで水に浸かりながら魚を観察出来ました。マダイが泳ぐ生け簀、アジが泳ぐ生け簀で、釣り堀体験が出来ました(長男、人生初めての「磯釣り」。アジ、5匹ゲット←入れ食い状態で、かなり楽しい)。ピチピチと跳ねる魚を、両手で掴んだのも初めて、自分で釣り上げた魚を10分後に唐揚げで食べるのも初めて(釣り上げた魚は基本的にリリース、持ち帰り禁止。命は大事です、食べる分だけ釣りましょう)、魚はスーパーで切り身になって皿に入っている物ではない、と言う事を肌身で実感(したのかな)出来た一コマでした。

 本当は土曜日から来て遊び倒して、近くの宿泊施設に泊まって(シーパラには隣接した同系列のホテルがあります)、翌日ゆっくり帰るのが負担が少なくてベストであると思いました。何しろ初回であったので、そこまで考えが及ばず、しかも下調べなしの弾丸レジャーであったので、幼い子連れにしては怖いもの知らずであったなと反省しております。帰宅してからの子供等の入浴、歯磨き、翌日の用意、こもごもで疲労感は更に倍増、翌朝の身体と頭の重さにひたすら怯みました。

 全体的にはほぼほぼ満足の今回ですが、一つ改善出来れば良かった点は子供達の食糧調達です。特に幼い子を抱えていると、食べ物には何かと頭が痛いのはどのお出かけでも一緒なのですが、割合にいずれのレジャー施設もフードコートの料金設定は高めです。離島であると言う事もあり、シーパラはそれが顕著であったようにも思います。大っぴらな持ち込みはNGでありますので、これは工夫が必要なのでしょう。それに加えて特に1歳の次男には、ジャンクフードや刺激の強い食事に偏りがちな外食は今後、しばらくは課題克服に頭を悩ませそうです。

 私自身、子供の頃にはすぐそばに自然が溢れていた、という事もありますし、あえて自然と触れ合いに出掛けるまでもなく、トラウマになるほど自然から身に危険を与えられた(また折をみて別記します)ので、何となく、自然との距離の取り方のようなモノが脳裏に刻まれています。対して、息子達は2人共、郊外で暮らしていますが自然とは遠い場所にある都会生まれです。彼等がこれから触れていく「自然」は、もしかしたら誇張された自然である場合もありますし、心地よい部分を強調したそれである場合もあるでしょう。そういった事が決して悪い事ではなくて、「出来栄えの良い」部分も自然であるには変わりないので、それらをも含めた細部へと視点が移っていくような触れ合いを今後も機会があればさせてやりたいと、親は、ふと思ったのでした。

 夕闇の中、釣り竿の先でビンビンと踊っている力強いアジの最期の抵抗。巨大なセイウチの生々しい体表の艶。餌をねだる仕草にも、各々の個性が光るアザラシ達。

 帰り路に見渡した海は黒々として、防波堤越しに眺める空は眩しいばかりの月夜。

 夜遊びを、大人になって、こんな大胆に、子連れでしている自分の馬鹿馬鹿しくも愉快な気持ち。べたつく海風は、帽子まで吹き飛ばしそうなほど遠慮なく、生温かく、強烈。長男も、次男も(ほどんどベビーカーか抱っこ紐で私に括られていたにも限らず)日焼けして、ちょっと腕や足が紅くなっていて、主人に至っては寂しい額の隅々まで日に焼けて。

 テーマパークから、弾んだ気持ちで、でもちょっとだけ明日の心配をしながら、出来たてホヤホヤの楽しかった思い出を声高に語りながら家路に付く、贅沢。いつの日か、また、と、決まり文句のように呟いてしまう今日を、私は間違いなく、アルバムの特等席に座らせようと思ったのでした。