あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

母ちゃん、啖呵を切る。

 ルームシェアを許す程に親密ではないけれど、いつも遊びに出掛けるとなると誘い合ってつるんでいる間柄の友達。今の私と主人との関係は、恐らくソレです。

 同居している頃に経験した苛立ちや憤懣は、別居生活へと軸をずらした途端にモヤのように薄れて行きました。主人には子育てに頓着せず、深夜まで飲み歩く自由が出来ました。私は誰に憚る事なく、自分のペースで仕事も家事も出来るようになりました。失敗すれば、それは全て我が身から出た負債ですし、成功すればおおっぴらに手柄を誇っても良いのです。未だに苦しみを味わう瞬間と言えば、突発的に子供の具合が悪くなった時、及び、私自身の体調不良の時でしょうか。ともあれ、経済的な基盤がかろうじて保たれているので、地に足を付けて踏ん張って居られるのも事実です。

 夫婦そろっていれば、幸せとイコールになるのだろうか、と思い巡らせたとき、その定型に当てはまる家庭は確かに一定数存在するでしょう。けれど、片親でも、天涯孤独だったとしても、それらの一面だけを眺めただけで「可哀相」と結論付けてしまうのは止めたいと思います。幼少期の私は、両親が共働きだったので、日中は母方の祖母の家で過ごしました。10歳の頃には鍵っ子になりました。19時に母が帰宅するまで、とても自由に勝手をしていたのを思い出します。不便でも不憫でもなくて、夜を迎えるまでの放課後は、小さな城の我が儘な城主のように自分をみなしていました。

 主人と別れて暮らすようになり、実感します。彼は本当に純粋な人なのだと言う事です。酒を飲むと気が大きくなって横暴にはなりますが、それを差し引いても大きな人物です。潔癖な程真面目ですし、仕事は言うに及ばず世間に対しても律儀です。頭の回転も速く、不利な状況でも機転を利かせ苦境を打破するだけの気概も行動力もあります。効率的なモノの運び、自信に満ちた言動、研究熱心な姿勢、部下への面倒見の良さ、かつての伴侶に対して言い過ぎかも知れませんが、やっぱり、彼のどこかには動かし難い「純粋なもの」がある気がするのです。

 一かけらの心細さを感じる事もありますが、決して、私は不幸ではありません。「お母さんの身勝手のせいだ」といつか子供に責められる日が来るのでしょうか。

 でも、残念。「あんたらを不幸にしようと思って選んだ選択肢は、ただの一つもありはしない」と言い切れる私は、何の悔いも持ち合わせていません。