2017-12-08から1日間の記事一覧
日が傾いて気温が下がると、 冷たい窓ガラスの外は 北風が強くなる。 すると機嫌よくはしゃいでいた次男が、 ムズムズと泣き声を立てる。 心細いのか、 眠いのか。 すっかり重くなった赤ん坊を拾い上げ、 おんぶひもで背中に結ぶ。 私の背後で、 湿った嗚咽…
雨戸を開けたら、 冬の朝日でした。 厚い鎧戸に守られた夜が明けると、 凍てついた朝がそこにありました。 白くかすんだ溜息が思わず出て、 濁りのない真っ直ぐな一日が始まるのだと 思いました。
陽の光だ、と 気付いた。 窓辺から私を照らしているのも 勿論そうであるのだけれど、 君の鼓動を照らす温かいものこそ 間違いなく陽の光だ。 君を包むそのうららかなものこそ 絶える事ない 陽の光なんだ。
冬には、 つつましく、鮮やかで、 いじらしいものが 随分とたくさん見つかる。 ほわほわとあっけらかん。 もさもさとさんざめく。 きりきりとみずみずしく。 ほこほことたわわ。 それだけでも神々しいけれど、 葉を通ってくる光が有り難い。 ヒヨドリやオナ…
長男が言う事には 空の向こうには宇宙とやらが あるらしい。 彼の住む世界には、 おばけだってサンタさんだって、 鬼だって神様だって住んでいるけれど、 空の向こうには、 天国とか不思議の国ではなく、 ちゃんと宇宙が広がっている。 少しずつ仕組みが分か…
ガサリ ガサリ 落ち葉を蹴って歩く。 無数の枯れ葉が散り敷いた道。 小舟の真似をして葉っぱを蹴散らす。 薄い氷のような葉っぱの海が割れる。 人は、 自分の生まれた季節に愛着を持つみたい。 私も子供達も、 冬のあれこれを探すのが好き。 分け合えるいろ…