あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

季節

夢を食べる。

子供の頃に憧れたのは、自分の大好物が山のように積まれた風景です。心躍る物が、視界を埋め尽くす、それに興奮するとは実にいとけないというか、無垢というか、他愛のないものですね。けれども、子供にとっては結構本気で叶えたいような夢であったり、譲れ…

習い事、社交界始め。

先日ついに、表千家の茶道を習い始めました。先生は、自宅に茶室を構える大豪邸の奥様で、すでにお孫さんもいらっしゃるとの事ですが、まだまだお若い貴婦人です。 およそ10年さかのぼり、私が学生であった頃、実家近くの茶道教室に通っていました。指導し…

冬を纏う子

古びた物、ひなびた物に愛着を覚える私ですので、和室がある物件を探して、なおかつ賃貸料も考慮して今の住処にたどり着きました。木造2階建てのアパートの2階角部屋です。内装はリフォームされていて、お風呂とトイレも別、昔風の間取りはそのままに各部…

「点」を置く。

「あるがまま」を受け入れ、現状へ自分の感情を馴染ませるのに、随分時間がかかりました。まだ不安定で、核の部分も落ち着かず、出来たての小惑星のように私は今でもグツグツと揺らぎ動いています。 二人の幼子を連れて、家を出る決意をしたのが去年の十月で…

日日是好日(にちにちこれこうじつ)

私が茶の湯を手習いしていたのは、およそ7年前になります。大学生の4回生の頃から始めて、東京に嫁いで来るまでですから10年と少しお稽古に通っていました。ひと月2回、表千家流の先生のご自宅で、週末の都合の付く時間にご教授願うのです。 11月の辺…

エゴイスティックファッション

紅葉がカッと華やぎ、朝夕の冷気が身に染みるこの頃。目覚めの折、出勤の折、上着の襟を指先で立てたいくらいの気持ちになります。ついこの間、衣更えしたばかりなのに「この服装で良かったのかしら」と少し心許ない気にもなってしまいます。 以前に書き留め…

朝のおつとめ

研いだように清々しい朝の気配があります。 遅い日の出を待ちかねて、目覚めたままに重い鎧戸を開けます。周囲はまだ浅い眠りの中。穏やかで厳粛な、洗い上がったばかりの風が小さな我が家の部屋という部屋に行き渡ります。 新居に引っ越して半月。私の日課…

名残

頬の辺りに、芳しい香りを感じ辺りを見回せば、深い緑の高木にあるかなきかの小さい夕日色の花房が無数に散りばめられているのを見つけました。彼岸の頃、曼珠沙華の鮮やかな紅色があちこちを賑わせる中、朝風に、夕凪に、人の心をふくよかに染め上げるその…

終わってゆく、君等の夏

井上陽水さんの『少年時代』や森山直太朗さんの『夏の終わり』の歌詞が心に響き何となくしんみりしてしまう頃、夏という季節が一区切りしたのに気付きます。家庭で過ごした色濃い思い出を抱えて、いよいよ新学期、子供達が一斉に学舎へと戻ってきます。 まだ…

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):山中湖温泉(忍野八海→ホテルマウント富士→富士急ハイランド)8/18・19 後半 

旅の印象を大きく左右する要因の一つに宿泊施設の充実感があると思っています。山中湖のバス停からホテルのシャトルバスに乗り込み、我々一行は乗り合わせた中国人家族と共に今回の宿泊先である「ホテルマウント富士」へ向かいました。木立深い斜面をグイグ…

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):山中湖温泉(忍野八海→ホテルマウント富士→富士急ハイランド)8/18・19 前半

山中湖温泉への旅。宿泊先は「ホテルマウント富士」で、1泊2日の小旅行でした。5歳園児と1歳半園児を連れ歩くには1泊くらいが丁度良いのかも知れません。JR立川駅からのホリデー快速はほぼ満席。家族はバラバラになりましたが、幸い全員が座れました…

土の香り、水の香り

盆休みの世間。東京郊外の御宅は、いづこかへの里帰りが多いのでしょうか、ここ2,3日、とても静かです。日中はまだ、煮えるように暑い日が続いておりますが、吹き付ける熱風の中にショッキングピンクに彩られた百日紅(さるすべり)ばかりが元気はつらつ…

涼風至(すずかぜいたる)寒蝉鳴(ひぐらしなく)

「秋です」。 などと文字にしてみても実感がないくらい、照り付けが厳しい毎日です。28度設定の空調で、閉め切った室内にいても、料理の為に台所に立てば、たちまちこめかみから雫になった汗が滴り落ちてまいります。ただ、暦の上では「立秋」も過ぎ、暑中…

アローハ、オエ。

夏の雲は表情が豊かで、とても抒情的で好きです。買い物帰りの薄青い空に、逞しい入道雲がそびえ立っているのは、見応えがあって胸が高鳴るように思います。目の前に立ち塞がる巨大な雲の山脈は、膨らんだ裾を豪胆に引きずって、物凄い速さで私の頭上に迫っ…

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):八景島シーパラダイス

週末、子供に「日曜日、どこへ行きたい?」と尋ねるのが、この頃の我が家では定番になっています。「水族館に行きたい」と長男が嬉しそうに提案しますので、昨日は神奈川県の『八景島シーパラダイス』に家族で向かいました。 高速道路も使用して、我が家から…

書き連ね、書き捨てて、夏、夜深く、独り、ほとほとと、つむぐ。

澱みのない水辺に、蜻蛉は飛び巡ります。色づき始めた稲田の上空にも大きな群になって彼等はスイスイと風を切って渡って行きます。華麗なホバリング(定点飛行)も、上下飛行の自在な事も、小さいながらこの虫を勇ましいモノに見せている大きな要因である事…

羽化

眠りは全部をチャラにします。眠っている状態は、外界との情報交換から隔離された状態です。刺激の流入もないですし、体力の流出もないわけです。厳密には、呼吸器を動かす微弱な「電力、火力、水力」や、循環器を活動させる労働力は必要になりますが、全く…

酷暑見舞、参らせ候。

白、薄紅。百日紅(さるすべり)の花が、湧き立つように咲いています。この凄まじい暑さに蝉でさえ、日中に鳴く事を控えているというのに逞しくも健気な花は、焼け付く陽射しの中で熱風を受けて揺らいでおります。 先週末から1歳5か月の次男が風邪をこじら…

夏酔い奇譚

手元の竿が跳ねたのに驚いて、私は思わず立ち上がった。 支えていた竿は大きく揺れ、糸先が突き立っている水面に波紋が広がった。夏の陽にじりじりと炙られて、釣れぬ魚と根比べをしているうち、どうも居ながら寸の間の眠りに落ち込んでいたらしい。一本切り…

神鳴る、不徳ある民に。

曇り空は、嫌いではありません。 霞がたなびく空も、鱗雲が覆う空も、物語のようなものがそこにあるようで、私にはむしろ表情豊かに思えるのです。 中でも夏の空が存在感の豊かな雲に遮られる様は、とても神秘的で妙味に溢れています。邪魔な物を吹き払うよ…

萌エイズル、緑ウルハシ。

苔玉を職場で育てていると、以前、書いた気がします。大人の拳ほどの大きさで、頂上にラカンマキが1本生えています。空調の効いた室内で、窓際の空いたデスクに異動させたり、昼休憩にテラスで水遣りしたり、建物の植栽の近くで陽に当てたりしながら楽しく…

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):目黒から代官山へ

目黒の『雅叙園東京』へ出掛けました。最寄り駅から新宿経由で山手線目黒駅下車です。東京に嫁に来て幾年か経ちましたが、東京は大都会ながらもあちこち至る所に坂道が組み込まれているのを何度経験しても私は新鮮に感じてしまいます。実際に我が家があるの…

そぞろに祭りと、浮かれてみれば。

夏祭りなどと言うものは、大人だろうと子供だろうと浮かれて呆けて丁度良い物なんでありますよ。日が沈んだからと言って、一日中照り付けられていた地面や竪壁なんぞが急にヒンヤリ良い按配に冷える訳はありません。うつらうつらとしておったとしても、額に…

かゆくなるカノン

5歳児の語彙力がいかほどのものであるのか、侮っていたわけではありませんが、時々不意打ちを喰らって彼等の言い回しに笑い転げてしまう事があります。 今朝、登園の為に次男を背負って、長男のお供をしながら、自宅のすぐ裏にある長男の保育園へ向かってお…

「麻」が来た。(我が家の買い物実録)

良い買い物をしました。寝苦しい夜に相応しい、敷きパッドです。肌に接する表面部分は混じりっけなしの国産麻100%で、裏地はポリエステルと綿の混紡にて機能的。それから詰め物は綿でも化学繊維でもなく、これもシート状に重ねた麻です。 使い心地から言…

夏の夕暮れ、母、想ふ。

花の季節も月の季節も、それぞれに心が引かれて私は好きなのですが、息子を2人も授かってからは、暑い夏にも親しみを持つようになりました。短い袖からはみ出した腕の表面を、融けた蝋のように濃度を持った鋭い陽射しが滑り落ちていきます。梅雨が明けて、…

夢と希望で膨らんで。

6月最後の金曜日は日差しに恵まれた風の強い一日になりそうです。子供達が起き出してくる前、早朝のベランダから東の空を見上げると明るい橙色と透き通った浅葱色が薄紫色の雲に区切られながら天空いっぱいに広がっていました。 日が昇ってからはカッと強い…

夏の夜の思い出便り

闇の中に光る蛍。父に連れられ初めてみたその光は黒い画用紙に開けられた画鋲の穴のように、あるかなきかの微かな青白い点でありました。丁度、苗代に稲が育ち、水を満たした田んぼへ明日にも植え付けが始まろうとする頃。梅雨入り前の晴天が続いた、こんな…

ははははペダリング。

坂の上の地区に住んでいますので、最寄りの駅に向かうには高低差がかなりある急坂を下ります。自転車のブレーキを構えて一気に下る直前、大きく開けた視界には、深い青に彩られた富士山の夏の勇姿が遠望出来ます。清らかな流れに飛び込む寸前のような、一瞬…

楽天道

玄関を開けると朝の涼やかな空気と共に、栗の花の濃密な匂いが吹き込んできます。遠目にも薄黄色の粉を振り掛けたように見えるほど、植えられた栗の樹々は今、花盛りです。不思議な事に栗の木は山桜や南天のように、人の気配の無い所で人知れず育っていると…