あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

広がる海へ

「国語の教科書、算数(数学)の文章題以外に、今の子供達はまとまった文章を読む機会がない。」 そのような記事に触れ、自分の頭が、シンとしてしまった。 新聞を熟読するでもない、小説を購読するでもない、漫画の回し読みはしても、友達同士で面白かった…

”可愛さ”について、考えてみた。

「可愛いなあ」と、しみじみ溜息を吐く時がある。 その感想が失礼にあたるくらい、年配の方に対しても、その感慨が的外れに思えるほど、堅苦しい物事に対しても、私はしみじみと目を細め、頬の辺りをキュッとし「可愛いなあ」と自分の口許に手をやる。 可愛…

創られる「敵対」

自分と親子ほども歳の違う若い人と話していて、気付いた事がある。 軸足がどこにあるか、経験値がどれほど違うか、周囲を取り巻く人々の質であるとかが私達の差異を産んだとも言える。とにかく、若者が示す、人への攻撃態度にブレが少ない、という事に驚いた…

おごりの春は美しい

年若い人と話す機会があった。共通のテーマに寄せた意見のそれぞれが、面白くて楽しかった。人間性はどこから構築されるのか、とも思ったし、若いからこその気持ちよいほどの傲慢もある、とも思ったし、若かりし頃の私を大きな懐で包んでくれた人の想いはこ…

ばらばら

本当に集中している時、私は自分のすぐ前の景色を見ているというよりも、その画面の向こうの2メートルくらい先の点を、ピントを合わせずに眺めているような感覚になる。周りからは、あいつ少し腑抜けている、くらいの印象になるだろうが、私が対象物にのめ…

「白」とは、混じりけが無いという意味もあるそうです。

私達はいつも「相手」の事を気にしている。夫婦でも上司でも同僚でも親戚でも子供でも友達でも、自分に対峙する相手にはどの距離が適切かとか、どれくらいの話題なら失礼でないだろうかとか、どういう事を主題に置けば意図が伝わるのかとかを考えながら生活…

流れ着く先

いつ終わるか分からず不安になってしまうような事柄も、終着点は必ずある。願わしい終結の形ではないから落胆するだけで、何事にも際限はあり、エンドレスに同じ状態が繰り返されるものは存在しない。極論を言えば、身に起こった不幸の存続期間は自分の命の…

美味しい餡子に一つまみの塩

少し不満が生まれる社内の方が、実は正常なのだ。「ちょっとどうにかなんねぇかな」と、人知れず舌打ちをしているくらいで丁度良い。大勢の人の中で働いていれば、自ずと生まれるのが軋轢である。価値観が全く同じ人同士で、一件のプロジェクトを始動させる…

優秀なママには真似できない事

朝からドーナツなんてハリウッド映画のワンシーンみたいじゃないの、とうそぶいてみる。早朝出勤の警察官が、同僚と立ち話で署内のPCメールをチェックしつつ、グレーズのたっぷりかかった甘そうなドーナツを齧っている、そんなシチュエーションがあったよう…

哲学は柔らかくってもいいんじゃないの。

今まで、一番、時間と金銭をつぎ込んできた事。それが、自分にとっての譲れない物なのだと言う。 絵を描くのが好きなら、その人は必ず、描く為の道具や描く為の資料や場所に時間と金銭を費やしてきたはずだし、あるスポーツにのめり込む人なら、彼は必ず、そ…

ほろほろと。

7歳の長男は、子供ながらよくやっている。オヤバカを披露すれば、彼は母親の私のオーダーに、不器用ながらも喰らいつき、頑張っていると思う。 私と主人との不仲のせいで、私は独り親になり、息子達は「家にお父さんがいない子」になった。時々、面会はする…

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。(『坊ちゃん』より)

白いシャツを着る。背筋がキュッと伸びる。そういう事なのだろう。 私が下着の上に羽織るのは、常に襟の付いた白いシャツ。もう定番である。 自転車に乗るからスカートは持たない。あるにはあるが、式典用の、習い事用の、出社用の、そのようなスカートが3…

事故現場あるある

下唇の左側にひどい青あざができた。面積で言うと、鶏の卵ほどだ。唇が切れて咥内には裂傷と共に、自分の歯型が刻まれた。 怪我の原因は、次男の頭突きだった。彼を抱き上げようとしてしゃがんだ私と、立ち上がろうとした彼との力の方向が、正面衝突する形に…

内なる外

我が家の玄関には、洗いざらしの白いカヤ布が吊るしてある。ほぼ、天上から床まで、シースルーの幕が垂れ下がっている。風が良く通るので、今の季節はフワフワとよく揺らいでいる。完全な目隠しにはならないが、あちらとこちらの間にあって、ふくよかに境界…

まつわる

その時、相手も私と同じような心境であったかは解らない。将来的に家庭を持って、子供もできて、年を取って、連れ合いをなくすか子供を独り立ちさせるかして、身近に寄り添える人がいなくなったら、結婚はしなくてもいいけれど、気が向いた折に縁側で茶でも…

選び、掴む。

陣痛の終盤から胎児が排出されるまでの過程を、10回も連続で味わえば、きっと死んだ方がマシくらいには、絶望を味わえるに違いない。オーバーでも笑い話でもないくらい、命を送り出す作業は凄まじい。 母体からすれば、それだけの恐怖があり負担があるわけ…

腐心

厳密に言えば、土選びからなのだろうけれど、陶芸の始まりは材料を捏ねるところから始まる。もっと遡れば、図案を描いてイメージを膨らませるところからかも知れない。自分の胸の内で、しっかりとした仕上がり像が浮かんでいないまま進めるのは、危険である…

おみそしる

木椀に注がれた味噌汁を、一口頂戴する、あの瞬間の充足感は言葉に言い表しにくい。満足感というよりも、安心感に近い、じんわりとぬくもってくるような気持ちになる。 椀に添わせ指先を丸く形作り、容器を優しく包み、滋味をいただく。 他の食べ物ではこう…

てわけ

音の出る絵本とか、動画で読める新聞とか、位置を追跡できる地図とか、食物繊維が摂れる調味料とか、声に反応する家庭電化製品とかいう複合的な「便利」が私達を満たしてくれる一方で、赤ちゃんの笑顔のしくみとか、せせらぎが脳に安らぎを与える理由とか、…

こう

「こうだったらいいのにな」は、もう解決の糸口なんだと、いつか読んだ事がある。「こうだったらいいのにな」の「こう」は、つまり、それが実現した時の風景だったり、物体だったり、人々の喜びの空間だったりするわけだ。 「何か良い物作ろうよ」という人は…

「隠」

鬼という存在が好きなのだ。悪魔とか死霊とか疫病神とかとは少し違う。いや、それらの物も煮詰めてしまえば「オニ」になる。 我が家では、よくオニが出る。歯磨きしない子の所にも、朝寝坊の子の所にも、喧嘩ばかり繰り返す子の所にも、オニが訪ねて来る。夜…

欠ける如くに。

物足りないままでありたい、と願う。私はいつも装飾が過ぎている。 もう少し、何か、足した方がいいのじゃあないかと、人が親切に眼差しを向け、そうしてすぐに通り過ぎて行ってくれるくらいに、わずかばかり不便な人間であれたら、と思う。 この、疲れにも…

宿る地

亡くなった人の体そのものは、いつか消え失せる。魂というモノ、あるいは概念が残されるのだとすれば、その存在を象徴するのは墓であり、仏式で言えば仏壇という事になる。 実家には父方代々の墓所がある。父は姉がいたものの長男であったから、苗字を継ぎ、…

成長

「成長」を言い表すのはとても難しい。人から見れば何の変化もないように見える時でも、本人が充実感を得ていれば、それは成長と呼べるかも知れない。周囲の目を驚かす飛躍を見せても、当事者が「まだまだ」と思っていれば、それは厳密には成長と呼べないの…

ぽつり、と。

「相手にされたい」というのは、赤ちゃんからお年寄りまで、満遍なく持っている欲求なのかしらと思う事がある。「相手にされなくても平気」というのは、本来の人間の本能とはかけ離れた感覚だから、それを真剣にできている人に対し、どこか冷めたような、そ…

告す

人を無条件に許すのは容易い事か。私は狭量であるから、それをなかなかできない折もある。傷つけられたら、傷つけられた分、相手を悪く思うし、相手に従おうという気は失せる。 私には神様は宿らない。神様ご自身が私を許すように、相手を許しなさいと説教を…

桃源郷

入浴剤で染まった湯船にはガラクタ。豆腐の空きケース、袋めんの空き袋、ペットボトル、時には風呂掃除に使っているスポンジ。子等は思い思いの物語を作り、背景を想像し、手にした容器で湯を汲み、使い古しの袋へ液体を注ぎ入れて満タンを目指す。満たされ…

解放

コロナ禍を避けて屋内にこもる風景が、どこでも話題になる。自宅で子供とクッキーを焼き始める、手芸で交流を図る、新しい教材で勉学に励む、運動不足の解消に小さなスペースでできるヨガやストレッチに工夫を凝らす。色々だ。 今まで、子供と一緒に2時間の…

8年目

夏は熱く、冬は寒い木造の古いアパートの2階部分に住んでいる。どの部屋にも大きな窓があるので、開け放てば風の出入りは自由だ。東京にも8年住んだ。おしなべては平凡だったが、自分の中では大きなうねりも小さな嵐も経験した年月だった。 やればできるよ…

あらわれたものをあらわす。

読解力ではなく、観察力なのか、と思い付いたので備忘録として記す。 テーブルの木目の茶や黄や肌色の奥深い部分の、色の境目のようなところに執念深く目を凝らして見つめ続けるような、観察力が必要ではないかと考えたのだ。表現力を培うためには、その観察…