「適当」の掟
存外、難しい事の一つに
「適当」というのがある。
肩の力を抜いて、とか
気楽にして、とか
他人を励ます時、慰める時、
つい簡単に使ってしまうフレーズ。
けれども
何かしら困難な事や
幾ばくかの試練に向き合っている折、
この脱力する事こそが、
最も計り知れない難事であったり
するわけだ。
殊に、強敵イヤイヤ怪獣と、
乳くれ魔人に追い詰められている時の
私にとっては。
「適当」は
「仕方がないよね」と
背中合わせ。
自分の神経質と耐久力とが
限界に達した時に発動される
いわば「安全解除スイッチ」。
どこかでプッツンする前に、
荘厳な「適当」が
機動戦士のように膝を立て駆動する。
無敵の「適当」発進!
のんびりもゆっくりも出来ない母だけど
戦う事は茶飯事だから、
勇者「母」、今日も平和を守るのだ。