あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

くすぐったいね、大人って。

お父さんと

お母さんは、

よく喧嘩もするけれど、

あっちに、こっちに、

出掛けもする。

 

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お父さんは、

筋金入りの「きゅうしゅうだんじ」

らしいので、

あんまりお母さんと手を繋ぎたがらない。

それに足も速くて、

全く後ろを振り返らないので、

僕と弟を連れたお母さんは、

すぐ人混みに取り残される。

 

「ちょっとくらい待ってくれてもいいのに」

お母さんは、時々怒っているけれど

「さっさと来いよ、置いていくぞ」

お父さんも同じくらい怖い顔をする。

僕はヒヤヒヤするけれど、

お母さんが溜息を一つ吐いて、

短い喧嘩はいつも終わる。

 

「全くもう、仕方の無い人」

口を尖らせたお母さんは少し上を向き、

「さあ、行くよ」

また僕の手を引いて歩く。

 

お母さん、ねえ、まだ怒ってる?

黙ってるのは、哀しいから?

 

僕はお母さんを上目遣いで

チラチラ見上げる。

速足のお父さんは、

もう、うんと先の角を曲がろうと

している。

また、僕らは迷子になるんじゃないかと

不安になった時、

僕の右手をしっかり握ったお母さんが

「大丈夫だから」

と、

呟いた。

「お母さんについといで」

 

あれ。

お母さん、

笑ってるの?

 

「ほんとにもう、仕方の無い人」

 

三角の形をした言葉なのに、

お母さんは、まんまるい顔をしている。

 

変なの。

 

なんだか、くすぐったい。