あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

歯車になる

一つの家にあって

長子であるという事は

得だろうか

損だろうか。

 

誕生すぐは

親の関心を一身に受ける。

王様、女王様、向かう所、敵無し。

 

弟、妹がある日、出来て、

家族そのものの「法改正」が加わり、

自分の立ち位置を再確認させられる。

 

昇格。

降格。

 

生まれて初めての

試練、経験、感情との

折り合い。

 

私は長子で長女。

主人は長子で長男。

 

私は弟が生まれて

姉の絶対権力が脅かされ、

主人は反対に太陽王

成り上がった。

 

家庭によっても随分違うが、

長子に運命づけられているのは

漏れなく、

一番身近な「子分」達に

存在意義を揺るがされる事だと

思う。

 

親は勿論、故意ではないし、

どの子も平等に大切で愛おしい。

異なるのは

手の掛かる具合だけであり、

誓って言えるが、

差別するつもりは微塵も無い。

 

であるはずなのに。

長子に対して、

期待が大きくなり、

望むべくも無い要望を

親は平気で抱くようになる。

もう、これは不可抗力としか

言いようがない。

 

我が家の長男は5歳。

まだまだ甘えたい盛りだが、

時々、

強制的に

「兄」を押し付けられる。

同じ年頃の

「弟、妹」の友達、「一人っ子」の友達が

我慢しなくて良い事も

我慢させられている。

 

私はそれを不憫だと思い、

主人はそれを当たり前だと断じる。

同じ長子として育って来た夫婦でさえ

自分の子を眺める視点に違いが出る。

 

そもそも

甘えん坊で、小心者で、

繊細で、プライドの高い長男が

日々、このような両親と暮らし

何を考えさせられているのか

母である私も把握出来ていないのだから

情けない話だ。

 

しかし、

弟に意地悪をして

突き飛ばした長男が

父である主人に

こっぴどく叱られているのを見ると、

哀れと思うより先に、

私が泣き出したいような気持ちになってしまう。

唇をグッと噛み締めて

泣き声をこらえている彼が

幼い頃の私とオーバーラップするせいかも知れない。

長男が組み立てた電車のレールを

無残に壊した次男が

元はと言えば悪い。

だけれども、

0歳の次男に、

ものの善悪は解りはしない。

5歳の兄は、

まだ完全に力加減が出来ず、

大人のように心の整理も巧みではない。

無理も無い。

無理も無いから、

胸が痛い。

 

歯車になると言う事は

そう言う事かも知れない。

「兄」という役割が

彼に与えられた時点で

彼は大きな何かを背負ったのだ。

 

この2月で、

次男も、はや1歳を迎える。

次男にも次男の1歳としての

「赤ちゃん修行」が待っている。

立ち上がり、一歩ずつ、前へ前へ。

親はグングン先を促し、

彼はそれなりの挫折に泣くかも知れない。

 

回り始めた歯車。

しっかりと噛み合うには、

まだあちこちぶつかり、

火花が散ったりするのだけれど、

カチリ、カチリ、

我が家の出発する金属音が、

今日も

確かに、

響いている。

 

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