あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

幕が上がる

私が

本格的な観劇をしたのは

小学生の頃。

学校の授業の一環で

老舗劇団の演目を学外にて

観に出掛けた。

 

今日

私が生まれて初めて知った劇団と

同じ劇団の上演を

長男と次男、私と

三人して観る事が出来た。

 

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『人間になりたがった猫』は

私が最初に劇場で観た演目だ。

 

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君が出会ったのは

また別の演目だったけど、

君の眼には

きらびやかな舞台は

どう映ったのかな。

 

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濃密な人の気配。

少し埃っぽい劇場の空間。

微かに伝わってくる証明道具の熱。

観客が発するさざ波のような高揚感。

 

これが、

「お芝居」を観る場所の空気なんだ。

 

真っ赤な緞帳が

黒い舞台の床に重く垂れていて

あちらの世界と

こちらの世界とが

きっちり線引きされているのを眺め

君は、

おっかなびっくりの目を丸めて

私の方を見返ったね。

 

ジングルが鳴り渡り、

役者が登場し、

君の眼前で、

夢の国が光り輝き、

王様が歌い、

妖精が躍った。

 

まだ赤ちゃんの次男は

暗闇に、大音響に、照明の眩しさに

怯えもせず、

大きな繭のように、

私の胸で眠った。

 

時折、長男は

自分の中に湧いて来る感情を

私へ確認するみたいに

こちらを振り向いては

また舞台に没頭するを

繰り返していた。

 

こうして

君と

同じ劇団の劇を

観られる日がくるなんてね。

 

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そして、

子供向けミュージカルで、

私が泣いちゃうなんてね。

 

お芝居って

凄いね。

学校の教室と同じくらいの舞台の上で

無限の世界が広がっているんだ。

 

どうして涙が出ちゃうのかな。

君と観に来られて嬉しかったからかな。

役者の方々の真摯な姿に揺さぶられたからかな。

演劇を好きで良かったな。

 

今日の舞台が

君の心に何を残したかは

分からないけれど、

一つの種がそこに運ばれて

やがて花の芽が育つ日が来たら、

君も大事な人を連れてきっと、

劇を観に行きなね。