あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

振り積む雪、草木眠らせ

f:id:akarinomori:20180122152921j:plain

 

玄関先が

明るく照り返していた。

ドアを開けると

冷気が吹き込んだ。

 

足元から上る

張り詰めた気流に

白い息を丸く吐いた。

 

f:id:akarinomori:20180122153116j:plain

 

結晶の形をしたまま

降り積もり

降り積もり

 

音を吸い込みながら

景色はいよいよ明るくなる。

 

f:id:akarinomori:20180122153300j:plain

 

新雪を眺め渡した時

人が自然と口をつぐんで黙してしまう様は、

厳格なしきたりのようだと

長い間、思ってきたものだ。

 

発してはならない話声などありはしないのに

白い世界に出会うと

人は少なからず、言葉を失くす。

 

何故なのだろうなあ。

 

胸の奥に、

しんと静まり返った

淡い彩りの鉱石を抱えたようになって

しばし、

雪と同化する。

 

我に返って

自分の行く道を見つけるのだけれど

後ろ髪を引かれるみたいに

雪に記された足跡を見下ろす。

 

探し物を求めるような

不思議な感覚。

 

どこかへ向かう事が、

小さな禁忌を犯すようで、

私はいたたまれず、

急いで

堅固にドアを閉じる。