あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

黄色い小人、雪道を行く。

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ギチリギチリ

踏みしめた雪は

片栗粉を揉んだような音。

踏み固められて凍った道に

黄色い小人の青い影。

 

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時折、吹き過ぎる北風が

枝の雪を払い飛ばし

空へ舞い上がる粉雪は

光る砂粒。

 

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壁際に寄せられた雪山。

足元を流れるのは氷河。

ツルツルして危ないから

気を付けてね。

 

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固い永久凍土を引っ掻いて進む

鎖の音が近づいて来た。

力強くエンジンを響かせて、

大きな鉄の塊が横を通る。

坂道、大丈夫かな、なんて

心配しながら、

豪勢に吐き出される真っ白い蒸気を

小人は見送る。

 

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保育園への三差路。

白と黒と、

黄色い小人。

霜柱を踏んで遊んだ雑木林も

今日はすっかり雪の原。

 

長靴の下で潰れる積雪を

確かめ君は歩いていたけど、

照れ臭そうに笑ったのは、

冒険の終わりを知ってたからかな。

 

温かい太陽に炙られて

この雪の世界は終わるけれど

またすぐ新しい冒険が

君を訪ねてやって来る。

 

冬が過ぎて

春が来て、

小さくなった長靴を脱ぐ時、

どんな喜びが君を手招きするのか。

 

季節を旅する探検者。

保育園へと駆け出す君。

ギチリギチリ、

名残惜しく雪を踏みしめ、

私は君の後を追った。