あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

雪明かり

誰だって

人を嫌いになるのは

苦しい。

 

自分の中の

一番醜い部分と

対話する事になるのだから。

 

人が

人を嫌っている姿を見るのは

苦しい。

 

自分の中の

歪んだ優越感と

すさんでいく腹の内側を

思い知らされるのだから。

 

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相手を好きになる理由は

物凄く曖昧なのに

相手を嫌う理由は

驚く程に明確。

 

人は、

いつでも誰かを

嫌いたがってでもいるのだろうか。

 

受け入れる労力は

耐え難い痛みである事が多いのに

追放する気楽さは

重荷が下りるように思う事がある。

 

どうせ自分は一人だと

頭のどこかで分かっているかのよう。

 

割れてしまったガラスを

元通りの輝きに戻す不可能を

賢明にも

どこかで悟っているかのよう。

 

あらゆる宗教が

人との和睦を促しているのも

あらゆる法律が

他人との共存を助けているのも

そうでもしないと

人と人は

簡単に争い傷つけあう習性が

あるかのようだ。

 

引き合う力は

弾き合う力よりも

脆弱なんだろうか。

 

雪に覆われたこの世界では

見渡す限りの物が眠っているかであるのに

白く無慈悲な布で覆われたこの世界では

全部が平らであるかに見えるのに。

 

暗愚な私は、

静かな雪景色の真中で、

ふと安らぎの息を吐き出している。

見せかけの平穏な世界であっても

何かにすがり付きたい欲に抗えないのだ。

母の胎内で、

眠りという逃亡を何度も繰り返したように

私は

誰かの声に連れ戻されるまで

白い世界を呼吸し

血生臭い吐息を

こぼし続ける。