あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

頭、身体、爪先、当たり前。

息子に言いたかったのは、

当たり前である君が、

当たり前でない人を、

簡単に笑って欲しくないという事。

当たり前でない人には

当たり前でない人の

「当たり前」がある。

その人が望んだ当たり前であったとしても

その人が望まなかった当たり前であったとしても。

 

違う事を違うと解るのは良い。

違う事を違うと言うのは良い。

違う事を違わないように無理強いしたり

違う事を安易に嘲る真似をするのは

とても切なく悲しく母は想う。

 

当たり前でない事

違う事

自分以外の誰かに向かい合った時になら

必ずある。

自分自身を見つめた時でさえ、

これは当たり前ではない

これは違う事だ、と

思う事も

あるのだから。

 

想像してみて欲しい。

当たり前でない景色。

違う事から見えて来る景色。

 

自分を殺して同化しろと言うのではなく

自分をコントロールして理解しろと言うのではなく

「そこにあるもの」を

「そこにあるように」

的確に捉えて欲しい。

そして、

そこに、そのように、あるものが

どうして

そこに、そのように、あるのか、

それを、

ほんの少し、

想像してみて欲しいのだ。

 

右足を踏み出せば、

左足を踏み出せば、

君はどにでも歩いて行ける。

右手を突き出せば、

左手を突き出せば、

君の両腕は飛行機の翼だ。

 

君は、あらゆるものを

これから発見し、驚きに満ちた世界に

染まっていくだろう。

 

君の内側を通り過ぎる数限りないものが

全て君の望むような姿をしているとは限らない。

君の外側を通り過ぎる夥しい有象無象が

全て君の障害とならないとは限らない。

 

だからこそ。

だからこそ、なのだ。

君よ。

当たり前を妄信しないで欲しい。

違う事を嫌悪しないで欲しい。

君が目の当たりにするきらびやかな物の正体、

君が体感する汚らしい物の本性、

その全部が君の価値観を超えた存在であるかも

知れない。

 

見抜く事は、

恐ろしい事かも知れない。

明るみに引きずり出すのは

ためらいの連続かも知れない。

 

それでも、

君よ。

 

暗闇には光が、

夜には終わりが、

あきらめには希望が、

密接に寄り添っている事を

知っておいて欲しい。

 

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君が

一人で立ち上がった日を

誰も笑いはしなかったように、

君が

一人で歩いた日を

誰も笑いはしなかったように。

 

君よ、

誰かが懸命にもがく姿を、

誰かが必死に生きる姿を、

見守る人であって欲しい。

 

この当たり前だらけの世界で

君が、

記念すべき一歩を踏み出した瞬間を

君が、

恐怖に打ち勝ち、何かに向かって歩んだ瞬間を

この世界が

祝福をもって

抱き締めたように。