あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

晴れ、時々、兄弟、後、我が家。

1歳を迎えた弟に

「お誕生日だね」

と、兄らしい口調で

得意げに語る5歳。

4本だけ歯が生えた口許を

ポカンと開けて兄の顔を見上げる

弟。

 

我が家では

誰かの誕生日は

ケーキを食べる日。

ホールケーキにしろ

カットケーキにしろ

上にはロウソクが

輝いている。

 

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「僕がフーする」

と、吹き消す係を申し出てくれた兄は

たぶん、幼い弟を助ける使命感より、

暗闇で揺れるロウソクの特別感に

誘惑されていたのだと思う。

誕生日の歌を歌い、おめでとう、の発声と共に

ロウソクを吹き消し、

吹き消しては、また火を灯し、

誕生日の歌を歌う。

繰り返す事、数度。

ケーキのクリームが室温でモッサリしてくる頃、

ようやく、謎の儀式は終わる。

 

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祝われているのに、

何事が起こっているか解らない弟。

誰の為のお祝いかあやふやなまま

とにかく楽しい兄。

 

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夢見心地のショーが終われば、

美味しそうなケーキが待っているのだけれど、

ケーキを飾る可愛らしい苺は

瞬く間に子供達の手に奪われる。

無秩序な秩序。

いつもの風景だ。

 

「お誕生日だよ」

再び、兄が

それらしい事を弟に言い含めている。

その兄が、

弟の苺をもぎ取ろうとしている。

無秩序な秩序。

笑ってしまう、いつもの風景。

 

この一年、

兄は兄なりに

兄になろうとし、

弟は弟なりに

弟を頑張って来た。

 

少しずつ変わって来た我が家の有様。

それらの変化の隅々に

散りばめられてきた我が家のエッセンス。

 

我が家は我が家なりに

我が家になろうとし、

その誰もが一途に日常を

紡いで来た。

 

今日と言う日が

晴れやかであるのなら

それで足りない物は

何一つないのだ。

 

明日を信じられる

今日と言う日。

 

幸、多かれ。