びっくりした。
もう、花が咲いている、と
駆け寄るように近づいてみたら、
可愛らしい葉ボタンだった。
こんな柄の絨毯なら
リビングも明るくなって
見るたびに胸が軽くなるだろうな、
と夢想してみた。
カメラで再現出来ない
嬉しい感動があるのを
毎度、物足りなく感じる。
溢れる物を
忠実に写し取れたら、と
傲慢な事を考えはするけれど、
自然のものへ対する愛着を
カメラのファインダーで及ぶ範囲で
捉えようとしている自分が
恥ずかしくなる。
妙にウキウキしているのは
美しい物に出会ったからだろうか。
それとも
自分が満たされているから
出会った物を美しいと感じるのだろうか。
まだ遠い春も、
過ぎ去ろうとする冬も、
足元の陽だまりにまどろんで
私をそそのかす。