あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

「光るもの」のデッサン

あばら骨

くるぶし

肩甲骨の隆起。

みっしりと詰まった肉と骨。

これが

男の子の形状。

 

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彼等の活動は

高熱の帯を引きながら、

素早い動きで、

遮る物がないようだ。

 

静まり返る瞬間にさえ、

蒸気機関車が絶えずもうもうと蒸気を吐くように、

爆発する細胞が

ガッチリと鎖に捉えられた不満を訴えている。

薄い皮膚の下には

極彩色の泡が弾けていて、

時々、火花を散らしながら

分裂増加を繰り返している。

 

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追い切れないスピードは

彼等の鼓動に比例し、

半ば無茶な運転のように思うのだけれど、

生まれた時から

これを通常運転としている彼等にとって

こちらの方こそ、

まどろこしい世界であるのに

違いない。

 

たじろぐ大人の胸の中へ

何の湿り気も持たず

一途に飛び込んで来る潔さ。

一種の恐ろしささえ感じる

無鉄砲を武器に、

彼等は決して錆びつく事のない

荒々しい熱の玉になって

私を翻弄し、使い古した天秤を壊す。

 

滅茶苦茶になった全部を

さらさら片付ける気もない私。

整える間も惜しいほど、

彼等の移り変わりは目まぐるしい。

些末な用事に手を取られ、

しがしがしているのが、

勿体ない。

蹴散らされた清潔な物達を

ただ呆然と見送ってから、

彼等の駆けだして行く背中を

夢中になって追いかけよう。

 

嵐、

列車、

ライオン、

火の鳥

さあ、次は何に変身するの。

 

彼等の遊びは

ただの暇潰しなんかじゃない。

あり余る力は

指先を風切り羽根に変え、

瞳を黒々とした千里眼に変える。

降る雨は青い銃弾になって彼等を射抜くけれど

光の矢へと様変わりした彼等には

寝静まったテントウムシ程の

いたいけな物であるはずだ。

 

男の子の

魂の形状。

そら恐ろしい可能性の集合体。

最高密度の煌めく物で出来た結晶。

 

走り出す踵は

つむじ風を踏み、

立ち塞がる立体を、障壁を、

軽々と飛び越えていく。

てんてんと脱ぎ捨てていく常識という重み。

ふわり、浮き上がる、

彼等を追って、

私は今日も、

無我夢中。