あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

記念日のあとさき。

この人の

眉毛の形は

長男のそれと

そっくりだなあ、と

まじまじ眺めた事がある。

 

眉尻が

春の霞みたいにボヤっとぼやけて

こめかみの肌色に溶けていく。

 

この人の

小鼻が妙に整っている様子は

次男のそれと

そっくりだなあ、と

じいっと眺めた事がある。

 

鼻筋が

素直に流れて

愛嬌があるんだけれど

どこか上品だと思わせる。

 

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この人の人生に紛れ込んで

この人によく似た息子達を育てて

喜怒哀楽をこの人と分け合って

何度目かの春を迎えた。

 

波風なんて毎日起きるし、

暗雲は定期的に訪れるし、

火山は律儀に噴火するし、

濁流に飲み込まれるのなんて

しょっちゅうだ。

この人と添い遂げる事に

不安を覚える時も

一度や二度ではなかった。

残りの人生を

山あり谷ありの道を

登り下る旅連れは

別にこの人でなくとも

良いはず。

なのに、ね。

 

手渡された花の可愛らしさを

陽にかざして

上から下から、

眺め回して、

ほんのり胸の辺りに籠る熱に

ほろ酔いみたいな気分になって、

布団を干したり、

掃除をしたりしている私は

もしかしたら相当の

お調子者であるのかも知れない。

 

この人の人生に紛れ込んで

この人によく似た息子達の寝顔を見ながら

この人を仕事に送り出し

この人の無事な帰りを心待ちにする。

時々忘れる記念日だけど、

今更おめでたくもない記念日だけど、

この人が守ろうとする

幸せな世界の祝日ならば、

この人のそばで

この人と笑って、

山も

谷も

越えていく。

それもまた

悪く無い。