尊い雫が
この世に
音を立てるように
窓辺で遊ぶ君が
ぽつり
遠い異国の言葉を
発する。
何かに気を取られ、
秘密を漏らしてしまった時の
溜息の響き。
開け放たれた窓辺。
梅の香りに淡く染まった
人懐こい風がワッと溢れて、
時折、また人目を忘れた君が
見知らぬ国の詩を口ずさむ。
あ、と気付いて照れ笑いをし、
赤ちゃんの振りをして
遊びに熱中する仕草。
うっかり姿を見られた妖精が
私達にお辞儀をするような、
もどかしい
陽だまりの
窓辺。