あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

コウノトリの憂鬱

私をめがけて

遠い場所から

ぽこっとやって来た人は

この世界にリズムを合わせる為、

病院のベッドでピカピカと

青白く輝いていました。

 

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この世界が

生きるに値する場所かどうかを

たぶん、慎重に見定めてでもいたのでしょう。

 

青白い炎に炙られながら君は

自分のそばで眠っている

くたくたのみすぼらしい見知らぬ女を眺め

どんなに残念に思ったろうね。

どうも、自分が見上げているこの女は

「母」という存在であるらしい。

目の下に隈を作って、

ただ、おろおろと情けない仕草で

こわごわ自分を抱き上げにかかる。

危なっかしくて、全く迷惑な事であるな。

そんな事でも考えていただろう君。

 

私はまだ

君に「母」と呼ばれるにふさわしくないのだろうな。

もじもじと身振り手振りと泣き声で

軽くいなされ、呼びつけられる。

「母」と呼ぶには

不十分な女。

 

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つむった瞼にユラユラと

幻みたいに行き来している私を

君は様々な試験で

試しましたよね。

何度もミルクを吐き、

何度も熱を出し、

何度も下痢をし、

何度も不機嫌になってみせて。

私が容易にくじけないか、

私が真摯に課題に取り組むか、

私が声を荒げないか、

私が最後まで君に向き合っているか。

 

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ねえ、私を選んでくれた人、

私は君を

ガッカリさせていませんか。

 

君が望む者に、私が成れた日

どうか笑顔で

呼んで下さい。

 

「お母さん」