厭離穢土（おんりえど）

意味があるかどうかに

囚われすぎては

勿体ないよね。

無意味かどうかなんて

やってみないと解らないんだから。

やる価値があるかどうかに

こだわりすぎては

それこそ気苦労ばかりが膨らんでいく。

流れる川に細い棒を突き立てているだけで

水面の下を泳ぐ魚にも手が届かないし、

波の上に跳ねるトンボの姿も見逃すし、

岸に訪れる水鳥にも追い付けない。

流れる川は

いつまでたっても

あっけらかんと流れる川のままだし

ぼんやり立ち尽している人は

ずっと立ち尽くして一日が終わる。

のんびりするというのと

ぼんやりするというのとは

似ているようで

少し違う。

色あいも

香りも

明るさも

似ているのに

とても遠い。

のんびりして意味を見出すのと

ぼんやりして意味を見失うのと

似すぎているから

思い違いをしてしまうんだね。

のんびりと冴えわたって行く事。

ぼんやりと擦り減って行く事。

いくつになっても

覚束ない。