さわやかな本能
期待しないって
本当は凄い事なのかもしれないなあ。
人とのかかわりの中で
自分のアクションに対して
まずは相手がどう感じるか
どんな反応をするかを頭で考えてから
私達大人は行動を起しますからね。
声をかけるにしても
どれくらいの声量で、
どのタイミングで、
どれくらいの距離から
呼び掛けたらいいのだろう、とね。
「おはようございます」がいいのかな、
いや、この時間帯なら「お疲れ様です」なのかな、
いやいや、相手はこれから用事がありそうだ「お気を付けて」の方が
親切でいいのかも知れない。
いきなりそばまで近寄って
ペタペタ顔を触るとか
相手の掴んでいるボールをもぎ取るとか
挨拶をすっとばして「遊ぼう!」から始まるとか
もう君達の空間には
相手のリアクションなんか
想定外なんだよな。
失礼、無礼、考え無し、横暴。
なのに、
きちんと相手を触って、
目を見て、
うにゃうにゃと一生懸命しゃべりかけて、
君達の世界は始まるんだよな。
常識とか身体とか
そんな面倒な物はそこにはないんだよな。
笑いたいから笑う。
泣きたいから泣く。
近寄りたいから近寄る。
好きだから抱き着く。
ほどよい思いやりも皆無な代わりに
姑息な打算も皆無な君達。
期待しない相手からの遠慮。
期待しない相手からの好意。
僕は貴方が大好きです。
それ以上でもそれ以下でもない
まるまるっとそのままの
いじらしいほどの「誠意」。