2018-04-15 苺の誉 あかちゃん 子育て 食卓 季節 幸福な香りだなと思う。 誰に教えられた訳でもないのに。 熟れた苺の香りを嗅ぐと ふふふっと目を細めたくなってしまう。 手づかみで洗い立ての苺を頬張る君は 丸い指先で紅い果肉を握り締め ふっくらした唇に 次々詰め込む、一つ、二つ、三つ。 ふふふ。 ふふふ。 苺の香り。 君の頭のてっぺんも。 少し冷たい鼻先も。 不器用な両手も。 その漏れ出でる吐息も。 ふふふ。 苺の匂う 食卓が、今。