あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

砂の女(我が家の砂事情)

 掃除が好きなのではありません。気持ち良く手入れの行き届いているのが好きなのです。主人は私をまるで「片付け魔」のように評すのですが、縦の物を横にもしない彼から見れば私は確かに病的に見えるかも知れません。

 男性家系の家に暮らしてみて実感した事は、明けても暮れても「砂」との戦いであるという事です。汚れ物を洗濯機に入れる時は、ポケットの中、ズボンの裾、上着の襞などには気を配っているつもりです。が、何故か洗い上がって来た洗濯物の隙間から、パラパラと砂利が出てくるのです。干し終わった洗濯物を取り入れた折にも、折り重なった衣類からどういうわけかジャリっとした物が畳の上に散らばったりします。

 中でも5歳園児の長男の靴など最たる物です。靴と中敷きの間のみならず、かかとの部分には砂団子が作られるほどの大量の砂。恐らく、砂場遊びの名残なのでしょうけれど、毎度毎度の事なので、そのうち園庭の砂場の砂がなくなるんじゃあないかと笑い話でなく思います。

 この頃、あんよが達者になった1歳園児の次男の汚れ物も、まあすごいです。歯が生えそろっていないので涎掛けが手放せないのですが、外遊びの時にも着けている為、元の色が判らなくなるほどドロドロの状態でそれが返って来ます。しかも園から返却されるときには汚れ物入れ(ビニール製)で半日寝かされている有様なので、泥汚れと悪臭とのダブルパンチ。揉み洗い、浸け置き、漂白、洗濯機、フルコースでの攻撃をも物ともしない頑固汚れに母はこの頃、ちょっと諦め気味。取りあえず、嗅ぐと目にくる強烈な細菌臭さえどうにかなれば、ひとまずはオールオッケーだと、うっすら残っている汚れ跡は片目を瞑って眺めるようにしております。カラフルな子供らしい溌剌とした色の衣類を着せてやりたい親心。けれども彼等のライフワークを思う時、しぶしぶ売り場で手にするのは濃い目の地味な色合いの物ばかり。なるほど、女の子の服売り場と、男の子の服売り場で歴然とトーンが違うのはこのせいであったのか、と今更納得です。

 我が家の掃除サイクルは、週末に掃除機と雑巾掛け、照明器具や冷蔵庫の屋根など椅子に上って拭き掃除、玄関のタタキ部分も水拭き、マット類と子供用の靴、シーツ、主人の作業着を一斉清掃。平日は水回りをその都度こすったり、玄関の箒掃きは毎日、時々嫌でも浮いて来る床の汚れやホコリは部分的に掃除機をかけたり、雑巾で拭いたり週に2度程。冬の頃は綿ぼこりが増えます。窓を開け放つ事も減るので空気中に舞い散る繊維質のホコリが、すぐに塊になって床の上をあっちへコロコロ、こっちへコロコロ。夏は主に人間から排出される汚れです。裸足の足から汗、泥、脂質の物がペタペタと拡散されていくようであります。

 つくづく思うんですよね。

 「金は溜まらぬのに、放っておいてもホコリの溜まることよ」とね。

 生活雑貨が増えると、肝心の掃除も面倒になります。仕舞える物は仕舞って置いて、極力部屋全体をフラットにしておきたいのです。動かす物は最小限、労力も最小限。これが、掃除を億劫にさせないコツの一つでないかなと思っています。

 何度も言うようですが、掃除が好きなのではありません。気持ち良く手入れの行き届いているのが好きなのです。その中で、収納スペースが大きすぎるのもちょっと問題です。大容量の収納があるのも便利ですが、それに甘んじて結果的に物が増える危険性もあります。暮らして行くのに支障がない程度、物足りないけれど心地よい空間、子供が小さいから無理なのではなくて、子供が小さくても叶えて行けるくらいにゆったりと、適度な余白を確保しながら暮らしていけたら良いのになあと思っています。

 完璧を目指せば息が切れます。投げやりになればあっという間に薄汚れてしまいます。程よい感じはご家庭それぞれなのでしょうけれど、清潔にこざっぱりとした食卓へ、母の日のプレゼントにもらった花を飾れるくらいには、色っぽくありたいと思います。

 子供達、主人が持ち返って来る無制限の砂粒に、我が家が埋まってしまわぬように、母は日夜掃いては出し、掻き集めては捨て、洗っては流し、こまめにこまめにチェックの目を光らせております。シンプルライフのベースは、たぶん掃除の良し悪しなんでしょうね。一生懸命になり過ぎず、気楽に手を伸ばすくらい緩くて良い。最終的な極意は「続ける」事。溜めず、増やさず、見極めて。

 気持ち良い暮らし、ここから。