あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

「麻」が来た。(我が家の買い物実録)

 良い買い物をしました。寝苦しい夜に相応しい、敷きパッドです。肌に接する表面部分は混じりっけなしの国産麻100%で、裏地はポリエステルと綿の混紡にて機能的。それから詰め物は綿でも化学繊維でもなく、これもシート状に重ねた麻です。

 使い心地から言うと、寝転んだ時の涼感は抜群で、しばらく寝ていても肌へ吸い付いて来るような不快感はなく、いつまでもサラサラと心地よいです。放湿性にも優れているようで、汗をかいかいた赤ちゃんが寝ていても、寝返りを打てば、その箇所はいつの間にか乾いています。天然繊維ですから、長時間同じ場所に寝ていればほんのり温もりを感じる気がするのですが、それが不愉快な感触ではありません。肌への接触面積が少ないと言うのと、自然素材故の優しさがあるのだと思います。

 実は、以前から、敷きパッドに限らず、麻製の寝具は欲しかったのですよね。カタログ販売で見かけて、気にはなっていたのですが我が家にとってその価格が二の足を踏む要因でありました。量販店で販売されている合成繊維製の夏用敷きパッドが5000円とすれば、軽く2万円を超える国産麻製のそれは手が出にくいのも当然です。しかも最終的には「実際使ってみないと何とも言えないよね」となれば、お試し価格に「2万円」はかなり勇気の要る金額であると言えます。

 そもそも、敷きパッドはいつか手に入れようと思っていた品ではありました。我が家は和室にダブルサイズの敷布団一枚とシングルサイズの敷布団一枚を並べて、そこへ大人2人、子供1人、赤ちゃん1人が無秩序に寝ています。寝返りを打つ度、子供達2人はあっちへ、コロコロ、こっちへ、コロコロ。朝には布団からはみ出て畳の上へ直接転がってしまっている事もしばしば。そうしてこの季節、普段でも汗で湿っている代謝の良い子供達が、もうそれこそ、ぐっしょりになりながら眠っているのです。彼等の真下の布団は苔でも生えそうな程、じっとり汗染みが出来ており、毎日天日に干して乾かしたい所でありますが、共働きの家庭におきましては、現実がそれを許しません。シーツをひっきりなしに取り換えるのもそれはそれでたいそうな労力でありまして、どうしたものかと思っていたところ、出会ったのが例の麻製の敷きパッドなのでありました。しかも、購入した商品はウォッシャブル、つまり洗濯が出来るので衛生的にも安心感があります。

 体温上昇で熱中症には気を付けたい夏。冷房使用はそれに有効な手段でもありましょうが、同時に長時間使用は発汗不足による倦怠感であったり、冷えすぎによる体調不良、夏風邪も心配です。特に、小さな子供が暮らす家庭では悩ましい所ではあるのでしょう。かく言う私自身も快適を求める為に冷房は欲しい所ですが、やはりクーラーをかけ続けた後の目覚めは何となく体が重く感じて好きにはなれません。とは言うもののダラダラと汗まみれになりながら扇風機で夏を乗り切る踏ん切りも付かず、何たる脆弱な精神だろうと我が事ながら片腹痛い思いではあります。

 そんな中での、麻製品との出会いでした。

 回し物でも何でもありませんが、先人達の知恵には実に学ぶべき所が多い物であると今回は心から実感いたした次第であります。どうして、もっと早くに勇気を振り絞って大枚をはたかなかったのだろうと。自殺行為でない、清水の舞台からの飛び降り方がここにありました。

 予備のシーツを購入する為に立ち寄った寝具専門店。綿素材のダブルサイズを求めて入店した店先に、ひっそりと置かれてあった麻製寝具。値札も申し訳なさそうに隅の方へ表記されておりました。飛ぶように売れる主力商品、という訳ではサラサラないのでしょう。気になって人を呼んだ時も、逆に店員から「え、こちらですか?」と何故か目を見開かれたくらいです。

 今年になり、我が家は色々に「良い品物」と出会いを果たしております。そういう巡り合わせの年であるのかも知れません。台所で使用する食器拭き用の布巾も、「蚊帳」(かや)の布です。麻と綿との混紡ですね。ごく最近は、麻100%の大判生地を購入しました。値段もそれなりにしましたが、とにかく室内に吊るして自然乾燥させても、従来のタオル地の頃のように臭くなるという事が全くありません。水分をよく吸収し、なおかつ乾くのが滅茶苦茶に早いのです。アッと言う間に手放せなくなりました。

(購入したものの一つに鉄瓶もありました。その記事も書いております。)

akarinomori.hatenablog.com

 ポリエステルの利便性、レーヨンの滑らかさ、ポリウレタンの柔軟性、化学素材も合理的に使用する我が家です。その時々の使い心地の良さを探求しながら、上手に付き合っていくのが良いと思います。自然素材至上主義では決してなく、自由に思い描く生活を手軽に実現出来たらそれで良いのです。そのスタンスの中で、良い出会いが今回はたまたま「麻」であったというこの事は、雑記帳へ記しておこうと思いました。

 日本の夏に、快適素材・麻の敷きパッド。これから我が家の必須アイテムになる予感。