あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

幸せのぐるり

 手ぬぐいがまた増えました。先日、代官山へ遠出をした際に贔屓にしている手ぬぐい専門店で夏の新柄を購入してまいりました。私の手ぬぐいコレクションはザッと190枚ほど。無印良品のカラーボックスに「赤系・緑系」組、「青系・黄色系・無彩色・その他」組、で分けて収納しています。ハンカチよりも大きく吸水にも優れ、タオルよりもかさばらず、襟元が冷たい時にはスカーフ代わりになり、突然の雨にはそれを被って最寄りの軒先まで走って逃げた事もあります。

 注染(ちゅうせん)という伝統の染色技法で染められた普段使いの手ぬぐいですが、古めかしいばかりではなくて若いクリエーター達のデザイン画を写し取って描かれた柄は、ほのぼのと明るく活発で、実用的な中にもオシャレ心があって魅力的です。先頃、遊びのお供にしていたのは「夏野菜」という柄。今日は「薬味」という柄を選びました。

 髪留めをしてもこめかみから流れて来る中途半端な髪。これを一まとめにするにも手ぬぐいは重宝します。三角巾代わりに後ろで括れば汗止めにもなりますし、料理の匂いが髪に染み込むのも防いでくれます。綿ですから、サラシと同様、縛った箇所が解けにくいのもとても便利。

 家族で温泉に出掛けた時は、大浴場まで着替えを包んで運ぶのも、私は実は手ぬぐいです。軽くて機能的で応用範囲が広くて手触りも良い。洗濯する時は本当はぬるま湯で手洗いが基本であるそうですが、我が家では洗濯ネットに入れて下着類と同時に洗っております。皺を伸ばして陰干しすれば、そのまま畳んで終了です。使い方はタオルに近いので、気難しく構える必要もなく、物を覆う風呂敷のようにも使用出来るので「ビニール袋ではちょっと見た目が」と躊躇する時にも間に合います。ベビーカーの日よけに掛ける事もありますし、赤ちゃんが眠ってしまえば汗除けの為に頭の下に敷いて置く事もしました。天然素材であるのでそうした面でも気兼ねがありません。

 デメリットで言えば、洗濯の度にわずかばかりですが、色落ちしてしまう事でしょうか。濃い色あいに染められた物であるとそれが顕著です。時間と共に柔らかい雰囲気になるので、それを楽しむ事が出来るのであれば、気にはならないとは思いますが。また、手ぬぐいの端は切りっぱなし、つまり、まつり縫いをしていないので、洗濯の都度余り糸が解けて来ます。はみ出した糸をこまめに鋏で切り離してやる必要があるのですね。ただ、それも、二三度繰り返せば自然と解けは収まります。ちょっとした様変わりや手間を楽しめれば、気にはならない程度の不具合かも知れません。

 手ぬぐいを使い始めて5年ほどで愛好者歴は短いのですけれど、たぶんこれからも私のカバンには手ぬぐいは必需品として装備される事と思います。出会いは銀座の老舗文房具専門店でした。催事フロアで扱われていた展示でたまたま見かけたそれにとても心惹かれたのがきっかけです。その時手に取った手ぬぐいは、今でも私のコレクションにちゃんと収納されております。そうでした、ちょうど、こんな蒸し暑い夏の日であったと思います。若鮎が清流を泳ぐ涼し気な柄のものと、青空を背景に福々しく実った蜜柑の柄のもの。輪郭線を描かない鮮やかな配色で、しっくり馴染む手触り。一目惚れでした。

 人にはそれぞれ自分らしいアイテムがあると言うのなら、私はやはり、自分にとってのものはハンチングと手ぬぐいを挙げたいと思います。そして、大好きな記念切手の事もいずれ書いてみたいと考えております。

 心がウキウキするようなアイテムは、たぶん、自分の生活を潤してくれる事や物と結び付いている物なんですよね。まずは、手ぬぐい。さっぱりとしていて飾り気もなく、当たり前に生活に馴染んでいる私のお守りの一つなんですよ。