あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

土の香り、水の香り

 盆休みの世間。東京郊外の御宅は、いづこかへの里帰りが多いのでしょうか、ここ2,3日、とても静かです。日中はまだ、煮えるように暑い日が続いておりますが、吹き付ける熱風の中にショッキングピンクに彩られた百日紅さるすべり)ばかりが元気はつらつ、咲き誇っています。

 汗を拭きつつ、鉢植えの植え替えをしました。春先に空き地で拾って来た楓の若木を、仮の鉢から陶器の鉢へとお引越しです。本格的な庭いじりの道具は持ち合わせていませんから、プラスチックゴミをキッチンバサミでカットしてスコップ代わりに、根菜ケースを培養土ミックス用ケースにしてチクチクと昼下がりの内職。雑貨屋で購入してきたパキラもテーブルヤシも近頃、ますます逞しく生い茂って来ました。着生植物であるシノブは相変わらずどんな天候にもシレっと涼し気に順応しております。苔玉に植えられたラカンマキは、弱ったり甦ったりを繰り返しながら、着実に若葉を増やして参りました。月美人という多肉植物は、根元に小さな株を付けました。これを千切って別に飢えれば、新しい月美人の苗へと成長するでしょう。

 可愛いモノです。水やり一つとっても、日照時間の管理や陽射しの調整であっても、それぞれに工夫が必要で、例え、同じ種類の株でもコンディション次第では全く別の対処が必要です。空気の湿り気とか、日の出の速さとか、一鉢、一鉢と向き合いながら霧吹きで水をやり、あるいは直接たっぷり水を回し掛けたり、対話と言うと大げさなのですが、それもまたやりがいのある面倒臭さなんですよね。

 観察をする事は、つくづく大事な事だと思います。大事というよりも、それ以外に上手に育てる方法は存在しないんじゃあないかと思えるくらい根本的な事かも知れません。変化を見逃さない、見守る姿勢を崩さない、地味ですけれどそれが苦にならない人が「育て上手」な人なんじゃあないかな、と近頃気付きました。

 変化なんて微々たるものです。瞬きの次の瞬間の、子供の顔色の違い等、私達はついないがしろにしがちであるようです。植物と子供は全く別物ですけれど、よく見て、よく見て、よく見て、接する以外に本当は上手い方法なんてないのじゃあないかしら、とふと考えます。掛けてやれなかった言葉、触れてやれなかった背中、見逃してしまっているサイン。

 子供は、植物ではありません。

 決して、物言わぬ植物では、ないんですけれどね。

 

 

 (1000文字雑記)