あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

終わってゆく、君等の夏

 井上陽水さんの『少年時代』や森山直太朗さんの『夏の終わり』の歌詞が心に響き何となくしんみりしてしまう頃、夏という季節が一区切りしたのに気付きます。家庭で過ごした色濃い思い出を抱えて、いよいよ新学期、子供達が一斉に学舎へと戻ってきます。

 まだ長男も保育園児の我が家では、その実感も感慨も概念として想像してみるだけで、しみじみと身に染みて感じるには後一年の猶予が設けられています。子供ながらに大人と同じようなコミュニティーで生活している彼等。慣れた環境から違う環境へ、金魚が新しい水槽に少しずつ馴染んでいくように様変わりしていきます。

 就学前の長男が、保育園以外で取り組んでいる課外活動にテニススクールがあります。現在、間借りしている物件の大家さんが所有しているテニスクラブに通い始めて1カ月。週に1回のスローペースであるので、上達云々というよりも刺激のある息抜きと言った感じです。元々、人見知りで恥ずかしがり屋の彼は、毎回担当してくださるコーチにもハッキリとした挨拶が出来ません。先方から溌剌と声を掛けていただいても、付き添いの私の方へ何故か顔を向けて、コーチの声が聞こえなかったかのように全く関係のない話を声高に話し掛けて来ます。恐らく、彼なりの照れ隠しなのでしょうけれど、これは余り好ましい状況ではありません。挨拶は集団生活では基本です、看過する事は出来かねる事項です。

 この息子の羞恥心について主人に相談した事があります。保育園での生活においても、登園時の保育士との関わりも似たようなもどかしさでありました。随分前から気にしていたのですが、さて一年生に進学したところで、いきなり改善する物でもないと思ったのでした。主人の答えは、こうでした。

 「(息子を送り迎えする)お前(私)が、(彼を)少し早めに送り届けてやれよ」

 人と馴染む事と、教室に早く入る事と何の関係があるのか、その時はピンとこなかったです。そのまま疑問を返すと、彼は言いました。

 「ある程度、場の雰囲気が出来ている所に、いきなり放り投げてもまだまだ息子は小さいんだから二の足を踏むだろう」

 なるほど、と腑に落ちました。

 人間付き合いが得手、不得手、その子の個性は確かにあります。不得手な性格である息子にこそ、まずは出来る範囲での環境作りをしてやろうと思いました。甘やかし、というのではなくて、親が出来る手助け。今だからこそ出来る「ならではの」手助け。

 

 

(1000文字雑記)