あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

路線図とポンコツ軌道

 詰め込み過ぎると身動きが鈍くなるのは、データ処理でも人の仕草でも同じなのかも知れません。ですから意を決して、自分にそぐわない溢れ出た物を選別し、削ぎ落とす作業を任意の折に繰り返す必要があるのでしょう。

 重苦しいのは人同士の関係である事もあります。気持ちのやり取りである事もあります。取り決めの順守に、ふと嫌気が差す瞬間があるのでしょうね。

 古い物、要らないと見限った物、留め置く事に躊躇する物、繕い切れないと失望した物。積み重なった、私にとっての不用品を、一つ一つと手放していく度に、風通し良くなっていく胸の奥に、それでも身勝手な涙が湧いてくるのは人の不思議と言わざるを得ません。思い出を撫で回してはいけないと我が身に言い聞かせながらも、両手でそっと押しいただきながら別れを告げていく作業。

 東京という地で2番目に選んだ住処を、私は今月、離れます。削ぎ落として行くのは目に映るものばかりでなく、私を捉えて離さなかった雑多な物事。イガイガとした厄介な物もあります。フワフワとした愛おしい物もあります。バランス良く身を削るのは、よほどコツが要る難易度の高い作業です。どれが本当に大切にしなければいけないものであったのか、何がいったい依怙地に守り続けてきたくだらないものであったのか、少ない時間で見極める為には、実のところ、逡巡などしている暇はないのでしょう。

 道に迷ってしまったら、当てずっぽうに突き進むのではなくて、引き返そうと思う勇気と、もう一度チャレンジしようとする意欲とがとても大事であると思います。その為には、膨れ上がってしまった装備の全部を、必需品と緊急性の低いモノに分けるのが先決なんですよね。エンジンは一つです。そのエンジンが丈夫で忍耐強い物であれば、そこに付属する荷車は、ぬかるんだ道から脱出する事が出来るはずです。黒い煙を上げているポンコツエンジンは私。様々な不安や期待を満載にしている荷車は2人の息子達。

悠長にメンテナンスをしている暇など実際はありはしないのですけれど、光の当たる場所まで何としても子供を届け終える為に、今、旧式エンジンのピストンを止める訳にはいきません。少し、前のめりになり過ぎているのは自分でも解っています。必要以上の負荷がかかっている事も織り込み済みです。だけれども、ここが終点ではない限り、道が続いている限り、母はモクモク走り続け、車輪は回り続けます。

 

(1000文字雑記)