あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

東京の「地面」を買いましょう。

 家を買います。土地付き平屋を、私名義で買います。

 東京に家を建てるというのは、簡単な事ではありません。東京に限らず、我が城を手に入れるのは、100円ショップで紙皿を買うのとは訳が違います。

 今日、昼間、生まれて初めて不動産購入目的でいわゆる「不動産屋さん」に出向きました。予約していた物件の下見をした後、差し出された書類に記載された金額を、私は案の定、二度見しました。都会の地価は、末尾のゼロが多過ぎます。いつか、有名大物司会者がテレビCMで「普通の人が普通に働いて」家を建てるのが理想云々の内容を謳い文句にしてあるものがありました。さて、その「普通の人」の定義たるや、いかようなものか、その「普通に働いて」とは、どの程度の世界での労働であるものか、と苦笑いしたくなるなどしました。

 私が賃貸ではなく、家を持とうと思い始めたのは、やはり子供の存在が大きいです。それから、田舎に残して来た母が、いよいよ次期当主である私の弟(彼女からすれば長男)に家督を譲るべく本腰を入れ始めた事もきっかけにはなりました。

 私の中では、マンションは他人様と共同で「空間」を購入する、という感覚です。隣同士に連続して広がった長屋を、天へと積み上げ建設したのがマンションのイメージです。一方、一戸建ては、地面そのものを買うイメージで、上に乗っている「家=箱」は、場合によっていじる事が出来るシェルターみたいな物と言えます。

 私は別段、資産家の娘というのではありません。実家には、他所に誇れる由緒もありませんし、家系は代々の水飲み百姓です。農地改革で払い下げられた田畑が少しと、狭い村の中にひっそりと収まった5LDKのごく一般的な持ち家があるだけです(都会の方からすればそれでも羨ましい内容かも知れませんが、田舎の5LDKなどは、まさに最底辺の「ウサギ小屋」レベルです)。しかもその相続はこのご時世にあって一切を「長男」がしますから、女は端から相続の頭かずには入りません。ですから、本当に一からの家探しになります。

 全くの裸一貫からと言えば大袈裟ですが、子供を抱えて女手一つでどこまでやれるか(あるいは、見通しを立てた後、諦めるか)は解りません。私の勇み足になる可能性の方が高いです。それでも、高望みの夢は、溜息を吐きつつ見るよりも欲張って笑いながら描く事にします。

 遠くに眺める夢こそは、無邪気で良いと思います。

 

 

 (1000文字ブログ)