あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

パン好きを語るお米好き

 パンの外皮をクラストと言います。内層部分をクラムと言います。グルメ情報が昔に比べ随分と専門的になりつつある昨今ですから、横文字を聞くだけでピンとくる一般の人も増えました。山食パンはクラムが縦に伸び、クラストは薄くなります。対して角食は目が詰まり食感はむっちりしますし、クラストは厚めです

 口に入れてアッと気付く旨さでなく、噛み締める度にジワーッと染み渡る滋味深さを感じるパンが好きです。パンは米と同じ、主食です。「ちょーヤバーイ、マジ、うまいんですけどー」という感動よりも「ああ、美味しいなあ、もうちょっとおかわりしていいですか?」というような照れ臭さを漂わせた魅力があるのが良いです。

 山食(=蓋をして焼成しないので、上部が半円形に盛り上がっている食パン)と角食(=蓋をして焼成するので、断面が四角い食パン)の2種が主流に食パンは売られていると思います。中にはラウンド型(断面が円形)の食パンもたまに見かけますが、家庭で重宝されるのは、山食か角食が多いのではないでしょうか。

 小麦粉中に含まれるグルテンで組織を形成し、オーブンの熱ででんぷん質を固化させてパンへと仕上げる作業がザックリ言うと製パンです。水と小麦タンパクと少量の塩に力を加えてグルテンを作る、その組織の中に混ぜ込まれた酵母の世話をする事によってパンに膨らみと旨みをもたらす、それが製パン職人です。

 ○○海域の深層水を組み上げた物を使用してます、うちは専用マシンで濾過したイオン水が売りです、酵母は創業当時から継ぎ足して育てています、契約農場から特別に買い付けた小麦100%です、使用する油脂はAOCと決めています、気泡を潰さない為に人の手を極力触れず作業します、こだわりは色々です。食事用に作られるシンプルなパンであるほど、材料や技術の差異に左右されるので職人はよほど神経質になりやすいです。

 おいしいものを求めるのは、消費者がどこまでいっても結局「おいしいものが好き」だからです。日本人なら食パンの触感は「サックリ」よりも「もっちり」に軍配が上がります。米の文化ですし、正月や祝い事や甘味処のアイドルは未だに「餅」だからです。口どけの良い山食よりも、噛み締める喜びがある角食が売れる理由です。「ふんわりもっちり」がキャッチフレーズの食品が多いのもそのせいですよね。本場の味、を求めていながら辿り着くのは「米でなくちゃ」って可愛いです。