あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

背中の厚みは父譲り。

 「今週末、長男の学習発表会があるんですが、どうしますか?」「どこであるの?」「学校の体育館です」「何時から?」「〇〇時から30分程みたいですけど」「分かった、行くわ」「ちなみに車も自転車も駄目ですからね、徒歩限定です」「入校許可書は必要?」「受付に記名すれば大丈夫みたいです」「オッケー」。

 子供がいると、彼等に絡んだ特別な日が折々にあります。保護者の観覧が可能な行事は、今でも夫婦そろって出掛ける事が多いです。別居していながら、不思議な感じもしますが、互いのスケジュールを確認して、現地で待ち合わせの後、同行します。横並びで観覧する事もありますし、会場が体育館のような広い場所であれば、館内の端と端で見物している事もあります。運動会の様な一大イベントでは、校庭の隅と隅でかなり離れて息子に声援を送っていました。我が家は、既に「こういうもの」として出来上がっているので、息子からは何の注文も付きません。意見しても無駄だと言う事を悟っているのでしょう。

 そのようなニアミス然とした夫婦の接触でありながら、電話で「今日の息子、凄く頑張ってたでしょう?」「あんまり遠くてどこにいるか分からなかったよ」「舞台の端っこで台詞しゃべったじゃないの」「あ、そうなんだ、一応、俺、最初から観てたんだけど」「あー、カメラ席、後ろだったもんね」などと、感想を交換したりもするのです。割と息子の間近でつぶさに我が子を観察する母と、会場全体の雰囲気を把握しつつ事の成り行きを見守っていたい父と、この頃自分に向けられる視線やカメラを必要以上に恥ずかしがるようになった息子と。

 そうは言いつつシャイではある息子ですが、ここ一番の踏ん張りを心置きなく発揮出来ます。タガが外れて、すぐに調子に乗るいけない癖もありますが、緊張せず思うままに振る舞えるのは稀有な長所でしょう。危なげのない演技・堂々とした発表・惚れ惚れするような競技態度、これぞ、男の子の醍醐味だと嬉しくなります。仕事に置いて緊張をした事がない、と豪語する主人の血が、こんなところにも引き継がれているのでしょうか。

 昔の家庭には必ず、鬼瓦みたいな威厳ある近寄り難い父親が上座にいつも陣取っていました。古風な九州男児の主人は、それをなぞったような男性です。いざ、鎌倉、となれば猛然と事を起す、そんな気概がある男らしい人です。離れているからはっきり解る、ちょっと皮肉なDNA。