名馬の本音
「それは良いね、面白いね」「素晴らしいよ、どんどんやりなよ」そう言って子供をけし掛ける事が出来ているのなら、きっとその子育てはそれだけで成功していると言えるでしょう。「ほら、これどう?」と両手に大切そうに捧げ持っている、ワクワクするような何かを、大人も一緒になって面白がれたら素敵です。
子供が頑張ろうと思う時は、彼等の背中にチアガールがいて、キラキラするポンポンをブンブン振りながら応援してくれている時に違いありません。最前列で子供の観戦をしていながら、スマホをいじっていたり、余計な立ち話を続けていたり、ともすれば「何やってんだ、そんな事してる暇があったら、これをしろ」と首根っこを捕まえて連れ去っていくようでは、せっかくのワクワクが瞬く間に萎んでしまうようです。
少し前に強い競走馬の話を聞いた事があります。競走馬がレースを勝とうと頑張るのは、馬主の為でも、世話をしてくれている厩務員の為でも、まして観客の為でもないのです。
その背に乗って、褒めたり叱ったりしてくれる騎手が、ゴール板の前を一位で通過した時、嬉しそうな顔をしてくれるのが堪らなくハッピーだからと言う事です。
男の子なんてそんな感じです。