今の私がそれを許さなくても、いつかの私はそれを好きでいる根拠
何年後かには、今いる「私」は全く別の「私」へと入れ替わっている、などと書くとミステリアスなSFのようです。しかし、37兆個あるいは60兆個との説がある、人間一人の細胞が入れ替わる速度を考えれば、論理的には元の細胞で構成された「私」は、未来の世界には存在しない事になります。神経細胞や心筋細胞等の生涯入れ替わらない細胞があるので正確には「ちょっとだけ過去の私」は残存する事にはなりますが。
現状、不得意な物があるとして10年後も同じように不得意だろうか、と想像した時、不得意である可能性もありますし、一方で「ちょっとだけ過去の私」が混じっている「別人の私」が、どう考えているかは解りません。苦手だったマカロンを、私が楽しめるようになったのは、ほんのここ最近です。野菜嫌いだった長男が、美味しそうにサラダを口に運ぶこの頃です。
そういう「可能性がある」と言われると、物事が好転するような気がしたり「あくまでも可能性だけの話で、実際はどうなの」と妙に疑り深くなる事もあります。
ですが「いつの日かの自分」が、今のしんどい状況を「何でも無い」と笑える日が絶対来ないとも限らないので、その時まで自分を好きでいましょう。