母の願いと超合金
幼い頃から、私は可愛らしいものよりも、更にカッコイイものへの憧れが強かったです。煌めくビーズで飾られたドレス姿のモデル人形よりも、「超合金」と称するいかつい造形の鎧に身を包んだ、やたら濁点が付くヒーローネームのロボットや変身英雄が魅力的に思えていました。同性の友達とも勿論、部屋遊びでままごとをしましたが、男の子との遠征や陣取りの方が、やはり楽しかったです。
私は実家の母にとって待望の女の子でした。あでやかに、つつましく、可愛らしく、蝶よ、花よ、と育てたかったでしょう。良い意味で、私こそが母には「等身大のバービー人形」みたいなものだったのではないでしょうか。
それがどっこい、口達者な男勝りに成長してしまいました。思春期にはひどかったです。口ごたえはするし、喧嘩の末に家出もしましたし、私をからかってくる男子にもパンチをくらわしていました。母の考える「女の子を育てる醍醐味」みたいなものに、きっとひどく反発していたのだと思います。
実際に、私自身が娘を授かっていたら何かしらあの日の母の「がっかり」に同情出来ていたかも知れません。
伸び伸びと男子2人の子育て、ごめんなさいね、お母さん、満喫しております。