あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

削ぎ落としても削ぎ落とし切れないもの。それが「物語」なんだよなあ。

 私は「物語」のあるモノを好きになる性質です。古民家に心惹かれるのは、そこに蓄積した歴史であったり昔の人々の気配であったりが散見されるからなのでしょう。古物商で安価な小皿を買ったり、部屋の暖簾にでも使おうと古布を手にしたりするのもそれの類です。

 時を経ると言う事は、見過ごせない歳月の重みのようなものが確かに存在するという事です。ただ、古めかしいだけというのでなくて、良い年月を過ごしてきたぬくもりみたいなものが宿っている気がするのです。

 例えば、人であるならニッコリと笑った目尻の皺にその人の温厚さや、辛抱強さが垣間見えたり、手先の隅々に風格のような気配が漂っていると言った感じでしょうか。

 それは何も落ち着きや泰然とした挙動に現れるだけではありません。溌剌としていても内側から零れ落ちるような色気があるように、釈然とした凛々しい物腰にも言い表せない程度の茶目っ気が残るような、言うなれば「味」と名付けたい雰囲気がある人は魅力的です。

 塗りこめられた魅力は、決して付け焼刃ではないので、なまなかな事では曲げる事は出来ません。やはりここでも大切なのは「物語」であるのだと思います。

 幾重にも折り重なった妙味です。