あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

触れる先の無き事を知る。

 あの日の恋を阻むモノはいったい何だったのだろうかな、と思いをはせる事があります。過ぎた日に、確かにそこにあったはずの情熱を、特に懐かしく思い出すと言うのではないのですが、自分を駆り立てる感情に殉じなかったのは、どうしてだったのだろう、と思い返してみるなどするのです。

 すがりつこうと思えば、きっとそう出来ていたに違いないのに、走り抜こうと決めた道の半ばで、ふいに立ち尽してしまったのでした。若気の至りと冷笑出来ていれば、思い出も甘酸っぱく脚色してしまえるのでしょうけれども、斜めに構えて訳知り顔を決め込むには、いささか後ろ髪を引かれる弱さも私にはあるのでしょう。

 私は誰かの過去になり、私も誰かを過去にして来ました。間違いであったとか、間違いではなかったとか、そういう類の話ではありません。ここにいる私は、決して今、生まれ落ちたばかりの私では有り得ません。ナニモノかに堰き止められて、諭されて、あるいは自身で気付き、儚い歌を止めたお陰で、行き着いた私であるのです。

 「阻まれた」わけではなかったかも知れません。私が、きっと自分の意思で「立ち止まった」に違いなかったのでしょう。

 恋の末を紡ぐのも、やはり、私。