あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

「知らぬ」という恥

 生きることは、難しい事だという格言は、世界中の芸術や論文や小説のテーマに成ってきました。人の生き死にに関わる物事は、人がどうにかできる事ではないから余計に難解で造形しにくいのかも知れません。

 生きることは、自分の後始末を綺麗に整える為に細心の注意を払って紡いでいかないといけない一大事業であるのだとすると、それはきっと難事業でもありましょう。言い換えれば、生きることは難しい、と括っている場合、難しい生き方を選んでしまっている、とも言えるのではないでしょうか。容易い生き方を選んでいる、容易い生涯を選んでいる自分であるのなら、恐らくそのような哲学的な脳にはならないのではなかろうかとも思うのです。

 人の物を盗んで、安楽に暮らせば大きな苦しみを味わわずに済むのかも知れません。人の厚意を踏み倒して、広い野へ走り去ってしまえば、今のちっぽけな自分から解き放たれるのかも知れません。けれども、それを自分はしなかったのです。

 悪い事、ならぬ事を、ちゃんと知っていて、それでも自分はそれらを選ばなかった、これが例え自分の生き方を「難しいモノ」にしてしまっていたとしても、たぶん物凄く自分には価値のある事だったのです。