あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

つなぐ一輪

 職場のトイレには、いつも花が飾られています。手洗い場の脇に、小さな花瓶に活けられた季節の花があるのです。小さな出版・印刷会社ですから、ビルメンテナンスの業者などは入りません。所属する会社の社員が自発的に自前で花を持ってきては飾っているのです。

 私がそれを知ったのは、入社して間もなくでありました。手洗い場に生花が飾られているのは入社試験の頃に気付いていました。こぢんまりとした古い会社で従業員も40人ほど、地元で愛される中小企業です。よほど大きな会社でも、通路や部屋こそどっしりとした観葉植物が据えられてはいても、手洗いには埃を被ったビニール製の造花が置いてある様は、よく見る風景です。

 良いも悪いも全部がないまぜになっているのが、人が作る会社というものだとは思います。一端を見て悟った風な事を言うのは早計ですが、それでも、私は、小さな会社の、手入れが行き届いた古めかしいトイレに、丁寧に飾られている花の可愛らしさに、胸を温かくしたのでありました。

 会社の最寄り駅には、1坪ほどの店構えの花屋があります。鮮度の良い見切り品のユリを1輪、いただきました。

 花を飾るにふさわしい我が社に、これを持って出社します。