「無理」は、きっと私達が手作りしている。

　無理に穴を開けないと通せない物があるのなら、それはそこを通すべきものではないのかも知れません。ギリギリに無駄をそぎ落としていながら、それでも何かを捨てなければ受け取れない恩恵であるなら、そもそも恩恵では有り得ません。

　仲間達は、それぞれが皆、上手くやりたいと思っています。誰もその計画が失敗しろとは思っていないはずです。最初から存在する不自然を、どうにか不自然でないように整える為、元々ある自然を削らないといけないとすると、これは私達があまりにも大きな欲を抱えてしまっていると言えないでしょうか。

　徐々にですが、明るくなる方向へ向かって進んでいるのであれば良いのです。しかし、努力している人達の顔が日に日に曇って来るのであるなら、その計画は一端、その場に置いておいて、もう一度、改めて、自分達の進む方向を見つめ直してみる必要があるのだと思うのです。

　上手くいかない状況下では、上手くいかない力がどこかから足を絡め取りに来るものです。進む気力がないとか、やる気が不足しているからとか、そういう問題ではありません。

　ある日、突然、どうにかなってしまう事は、どこかで、無理をしない流れが澱みなく出来ているものです。