「場」が作る「人」
子連れだからこそ、ホテルのラウンジで昼食を摂ればいいのです。今までは、幼い人達との気ぜわしく騒がしい外食に、落ち着いた雰囲気のレストランは半ばあきらめていたものです。
先日、隣駅の商業施設に買い物へ出掛けました。軒並み飲食店は満員です。人通りも多いですし、空気も澱んでいます。最寄りのデパートへ避難しても、昼時はやはり同じ、カフェもレストランも行列が出来ています。
チビ達を連れていると、通常ならファミリーレストランか回転寿司屋にでも避難するでしょうか。子供の甲高い声や、細かい身動きに寛容なのはそういった大衆的な家族向けの店舗でしょう。おにぎりでも買って、ベンチでかじろうかと考えながら歩きつつ、私達はあるシティーホテルの前を通りかかりました。
モノは試しです。ラウンジで昼食を摂りました。
ゆったりとした雰囲気です。ウェイターも接客を心得た人達ですから、子供らへの配慮も申し分ありません。あらかじめ、別の客と離れた席を用意してくれます。大人用のサンドウィッチを快く小さく切って提供してくれました。
驚くべきは子供達の反応でした。場所の重厚感に気おされてきちんと食事を摂るではありませんか。
「場」の力でした。