息子達を人として尊重しているからこそ、なのです。
「いう事を聴かない人のいう事は聴かないよ」。私が子供達によく言う言葉です。
優しい人には優しくしたくなる、汚れている場所には汚れている物が溜まる、そういう事ではないでしょうか。
自分の言いたい事を聴き入れてもらえないと嘆く前に、自分は誰かの何かを聴き入れる姿勢が出来ているだろうか、と思うのです。
息子達はまだ子供ですから当たり前のようにして我が儘を言います。朝寝坊をします。片付けをさぼります。兄弟喧嘩をします。危ない事を面白がってします。
母である私は彼等に注意する機会が増えます。私自身がおおざっぱな方ですから、あまり細かくは声をかけませんが、これはと思った瞬間は絶対譲りません。息子達も小言が好きではありませんから、時には不平を漏らしたり、あからさまに聞き流そうという態度を見せます。そんな折には必ず私は彼等に告げるのです。
「貴方が私の願いを聴かないのは自由です。だったら私も貴方の願いは聴けません」と。私は親ですから、彼等の保護責任と養育責任はあります。ですが、彼等の我が儘を看過しなくてはならないわけではありません。「親」と「子」ではありますが「人」と「人」でもあるのです。領域が違う話なのです。