2020-04-06 取り柄など。 家族 感情 雑記 私の眉は、亡き父によく褒められた。父が子煩悩だったせいもあるが、艶めいた事が好きだった父は、美しい物事に敏感であった。職人として過ごしてきた年月もあるだろう、彼は美醜にさとかった。 平凡な顔立ちの私であるが、眉だけは絵筆で描いたように整っている。この形は我が次男にも受け継がれ、確かな血のつながりを証明している。 「お母さんのマユゲ!」と喜びながら自分の両眉をなでる彼の姿に、また少し私は背中を押される。