広がる海へ
「国語の教科書、算数(数学)の文章題以外に、今の子供達はまとまった文章を読む機会がない。」
そのような記事に触れ、自分の頭が、シンとしてしまった。
新聞を熟読するでもない、小説を購読するでもない、漫画の回し読みはしても、友達同士で面白かった物語の貸し借りなど、年頃の今の子供達が率先してするだろうか。
子供達の読解力が低くなった、と私達は簡単に論じる。学校教育の現場に文句をつけ、課題の質を上げろ、フォローに回れ、個人の学力を観てから指導しろ、さんざん親は「親でない誰か」のせいにしている。
自分が産んだ子である。彼等の心に「言葉の海」を創ってやるのは、いったい誰であろうか。
言葉の海を渡る為の、船、オール、海地図、羅針盤、時には、帆やエンジンを用意してやらなければならないのは、誰であろうか。
当然、ネット社会で、子供達は別の知識を身に付けねばならないのも承知だ。
だが、彼等の推進力を育む場所は、どこだろう。