どちらさんも、よござんすね？

朝食に出すサンドウィッチは、

私にとっては、

ちょっと真剣なゲームの駒である。

あれこれうるさい長男が

文句を言わずに食べたら

私の勝ち。

一口かじって

「僕これ苦手」

と、御馳走様をすれば、

私の負け。

彼の昨晩食べた物、

起きて来た時の雰囲気、

体調などを加味しながら

挟む具材を選ぶのだ。

同じ具材でも

ペロリと平らげる日もある。

ごっそり残す日もある。

おだてると食べる日もあるし、

頑として口をへの字に曲げる日もある。

空腹では保育園に送り出せないから

迫る登園時間に追い詰められながら

「負け」の日は、新たにそこから

おにぎりを握り始める苦行を強いられる。

今朝のサンドは

メインにバナナ。

メープルシロップを利かせたマーガリンに

シナモンで風味を付けたフィリング。

「これなあに？」といぶかる息子の

渋い顔を見た時にはヒヤっとしたけれど

一口食べて、その後は黙々と口を動かしていたので

まあ、まずまずの戦況ではなかったろうか。

おかわりコールは無かったので

勝負はドロー。

晩御飯は何でも良いよ、と言いながら

出て来た品が口に合わないと

途端にむすっとする主人の困った所、

遺伝子はちゃんと次世代に伝えているらしい。

やれやれ、先が思いやられる。

鍛えられる母の腕前。

君から三ツ星を死守できるシェフになるには

まだ相当の修行がいりそうだ。