あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

シュトレンとおんぶひも

日が傾いて気温が下がると、

冷たい窓ガラスの外は

北風が強くなる。

すると機嫌よくはしゃいでいた次男が、

ムズムズと泣き声を立てる。

心細いのか、

眠いのか。

すっかり重くなった赤ん坊を拾い上げ、

おんぶひもで背中に結ぶ。

私の背後で、

湿った嗚咽と、叩きつけられる小さな拳。

産毛の生えたドングリのような頭を

ごりごりとなすり付けながら、

物分かりの悪い母を責める。

可哀相に、

赤ちゃんは気苦労が多い。

泣き疲れて眠るまで、

私は少しの間、物言わぬ石になる。

荒々しい寝息が聞こえ始めると、

ようやく安息が訪れる。

鬼の居ぬ間に、シュトレン。

聖なる夜を心待ちにする人達が

美味しいコーヒーと気の置けない人達とで

囲む異国の菓子。

懐が心もとないので大きなそれは買えずじまい。

とにかくひとときの母の贅沢として、

健やかな息子よ、

しばしの休息に目をつぶっていてくれたまえ。

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