優しさの安売り
優しい人が強い人じゃあないんだな。
強い人が優しい人で有り得るんだな。
身体と心が病んでいる時
相手に親切には出来ないからね。
自分の手の平が大きかったら
たくさんの水を運べるだろう。
自分の背中が大きかったら
大勢の人を守れるだろう。
だから気にするな、
誰かに言われたからと言って
優しさを安売りする必要はない。
大人という訳知り顔をした人種は
しばしば君達に
「優しさ」を強要するだろう。
望んでもいない仲直りを
役者のように演じる事を求めるだろう。
けれどね、
君がもし、
虎でありたいなら、
無理をして兎の役を演じる必要は
ないのだよ。
だって、
辛いだろう、
生まれた時から君は
虎なんだからね。
だったらそこから考えたらいいんだよ。
虎には虎にしか出来ない力仕事があるんだよ。
虎だからこそ、牙を納めて
君の友達に本当の強さを見せる事だって出来るんだよ。
君のフワフワの背中で、
傷付いた友達を守ってやればいいじゃないか。
人に譲る事ばかりが優しさじゃないよね。
人を許す事ばかりが優しさじゃないよね。
人を見届ける事ばかりが優しさじゃないよね。
それらを知る君であって欲しい。
猛々しくあれ、君よ。
強靭であれ、君よ。
賢明であれ、君よ。
逞しくあれ、君よ。
健やかであれ、君よ。
すがすがしくあれ、君よ。
君の全てを盾にして
弱き誰かを
守る為に。