別れた細胞は寂しがり屋
一緒にくっついている頃は
何でも無かった事だけれど、
二つになると、
寂しがり屋。
くっついていた頃の記憶をたどり、
君も私も、
たまらなくぎゅーって抱き締め合いたい時が
ある。
どんなにどんなにぎゅーって抱き締め合っても
あの頃のように
一緒にくっついている二人には
戻れないけどね。
だけどね、
一緒にくっついていた頃の
二人の思い出は
いつも一つだから、
面白いものを見つけたり
驚く事があったら、
同じ顔で、パッと
目を見合わせられるんだよ。
思い出は接着剤。
君の好奇心は
私の喜び。
黙ってたって
泣いてる理由が
解るんだからね。
かつて
私の一部だった君達。
かつて
私の欠片だった君達。
だからこそ、
君達が
困難に直面し、
じっと前を向いて
こらえる涙に
私は
たまらなくなる。
もう、戻れない、
遠い日、一つだった
掛け替えのない、君達。